店頭で商品に付けられたQRコードを読み込む。
三越銀座店3階に設けられた期間限定店。

 三越伊勢丹はスマートフォン(スマホ)アプリを使った婦人ドレスのレンタルサービスを8月1日から開始した。

 三越銀座店3階のプロモーションスペースに約40㎡の実店舗を開設。「デラ」「フリッカ」「ヘルムート ラング」「ヴィヴィアン タム」など13ブランド・約200着をそろえ、販売員が接客する。来店せずウェブ上だけの手続きでも借りられる。店頭では11月末まで期間限定で展開する。

百貨店もシェアリングサービスに参入

 商品を購入するのでなく借りる、多くの人と共有するというシェアリングエコノミーが自動車や民泊などの分野で広がっている。衣料品の分野でもエアークローゼットといったベンチャー企業をはじめ、専門店のストライプインターナショナルが「メチャカリ」と呼ぶ自社ブランドのレンタル事業を展開。アパレルメーカーのレナウンも紳士スーツのレンタルサービスを始めた。これらはサブスクリプション(継続従量課金)方式によるものだが、百貨店もようやくシェアリングサービスに乗り出した格好だ。

 三越伊勢丹が始めた新サービスは「CARITE」(カリテ)。システムは富士通が用意した。20代~30代の女性が結婚式や女子会、食事会など特別な日に着て行くことを想定し、「セルフ ポートレート」「フェイズエイト」「タラ ジャーモン」「アナスイ」などのドレスを貸し出す。価格は2泊3日で1万2000~1万5000円(送料、クリーニング代込み)。三越銀座店の3~5階でも販売している5万~6万円の商品を買い取り仕入れで展開する。

 お客はアプリ内でキーワード検索やスタイリング提案から商品を見つけ、自宅で注文することもできるが、来店して販売員と相談しながら試着することもできる。店頭では商品に付けられたタグからQRコードを読み込んでお気に入り商品を登録でき、お気に入りの商品をストックして検討したり、販売員がお客のアプリからiPadでデータを読み取って注文したりできる。もちろん自宅に帰ってから注文することもできる。

 アプリにはチャット機能があり、アプリを通して三越伊勢丹のオペレーターがお客の質問に答える他、実店舗で販売員とフォローフォロワー関係になることで店舗の販売員と直接チャットを通じたスタイリング相談も可能になる。アプリではスタイリストのお薦め商品やコーディネート提案などSNS(交流サイト)で得られるような情報も配信される。

 三越銀座店の期間限定店は11月末までの4カ月間開設。ウェブサービスは来年1月まで継続する。この実証実験期間中にお客の需要がどのくらいあるのかなどを見極め、次の展開につなげたい考えだ。

 東海林憲昭三越銀座店店長は「この事業では従来の所有だけでなく、シェアするという新しい価値を提案し、アプリを介した販促手法で今まで百貨店に来店しなかった新しい顧客を獲得するのが目的だ」と話していた。