厚生労働省のデータによれば、平成26年時点で専業主婦世帯は687万世帯、1114万世帯が共働き世帯と発表されています。数値は昭和55年時点とほぼ逆転、女性の社会進出や雇用形態の変化、少子高齢化など複合的な要因で、共働き世帯の割合は今後も増加していくと推察されます。

 この連載では実際に共働きしている家族を料理・買物・生活という切り口で取り上げ、どんな日常を送っているのかショートエピソード形式で毎週お届けします。

第5話 週末が生きがいの夫・茂の目線

 妻の朋子とは、週末のバスケサークルを通じて知り合った。

 彼女の会社に俺が転職する形で、今は同じ職場で働いている。家庭では名前を呼び捨てにしているが、メリハリを付けるために職場では互いを「朋子さん」「茂さん」と呼び合う。

 同じ家に住んで、同じ職場で、時にはランチも一緒に食べるので「仲のいい夫婦だね」と周りにはよく言われるし、自分でもそう思っている。

 大抵は俺の方が帰りが遅いが、朋子が忙しくて終電で帰ってくる日も多い。

 ただ、本当は朋子は、もっと家庭のことをしっかりやりたいようだ。

 現状は、彼女の能力が高いことと人手不足なことが重なり、周りから頼られてしまっているので、夫としても同僚としてもちょっと申し訳なく思う。

 ただし、俺たち家族は、仕事の話は職場で完結すると決めている。だから夫としての口出しはしない。

 同じ職場で働いていると、仕事で時たま意見がぶつかることもある。でも、それは絶対に家庭には持ち込まないようにしている。

 仕事の話と、夫婦の話は別だ。

 平日は主に共通の趣味のバスケの話をして、週末は仲間も含めて一緒にバスケ三昧。「この間の試合運びはとても良かった」とか、「あの選手いいよね」とか、夫婦で共通の話題があることはいい。

 お互いの価値観の違いは、そういうものだと理解し、触れないようにしている。

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 たまに同僚とのランチや飲み会で口にするジャンクフードは、何だかホッとする。

 ラーメン、餃子、ハンバーガー、そして生ビール。独身時代の味がする。

 毎日だとさすがに食生活もウエスト回りも乱れるけど、日々、朋子の健康的な食事を食べていると、ときどき無性に身体に悪いものを食べたくなるときがあるのだ。

 彼女は、仕事が忙しくないときはたまにお弁当まで作ってくれたりする。本当に感謝している。

 だから、たまにジャンクフードが食べたくなることは、あくまでも「ナイショ」だ。朋子も知っているはずだが、深く追求してはこない。

 決して互いに過干渉はしない。

 これは俺たち家族がうまくいっている秘訣だと思う。

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 今の生活には満足している。

 何も事情を分かっていない周囲から「子供は?」なんていまだに聞かれることも多くて笑ってしまうが、俺たちは、このまま2人で楽しく生きていくのがいいと本気で思っている。

 結婚したら次は子供というのは、昔の話だ。

 望んでもさまざまな事情で、できない場合もある。俺たちのように、意識的に2人家族を選ぶ人だっている。独身を謳歌している友人も、離婚したカップルもいる。

 子育てに奮闘中の夫婦は大変そうなので応援したいが、自分たちがそうなりたいわけではない。

 互いに好きな仕事をして、週末は共通の趣味を謳歌し、お互いのペースを大切にする生活が、自分たちには合っていた。

 ただそれだけ。

 多様なライフスタイルが、もっと自然になるといいな、と思う。

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>第6話 料理好きの妻・朋子の目線

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