欧米トレンドは周回遅れのピンボケ

 来春夏(19SS)を例にとれば、メンズコレクションは6月9日のロンドンから一巡し、ウィメンズコレクションは9月6日のNYから始まるが、企画や素材の開発には4カ月以上を要するから、メンズは今年春夏のマーケットを全く反映できず、ウィメンズも前半しか反映できない。欧米コレクションは受注生産を前提としているため、組み立てる時期が早過ぎて今シーズンのマーケットを反映できず、どうしても周回遅れになってしまう。

 報道されるコレクションを見ても(コレクション時期には毎日、昨日のショーをネットでチェックするのが業界人の慣習です)、メンズなどTOKYOやNYのストリートの後追いでしかなく、それも高価なプライスに見合うモードに洗練させようとして“活き”や“抜け”を矯めるきらいがある。加えて、北欧圏コーカソイドや地中海圏ラテン向けのフィットや空気感が強く、湿度が高い亜熱帯モンスーン圏のわが国の“抜け”たフィットや空気感とは埋めがたい乖離がある。

 欧米輸出の多いテキスタイルコンバーターに聞いても、『欧米で売れる素材と日本で売れる素材は全く違う』『欧米で売れる素材は“ウェット”、日本で売れる素材は“ドライ”』と異口同音に語る。中国の化粧品市場でも、香水やメーキャップ主体でモード感の強い欧米ブランドから保湿性など東洋人の肌に合ったスキンケアに強い日本や韓国のブランドに人気が急速に移行している。発展途上的な欧米モードへの憧れから成熟した自分志向へ、衣料品も化粧品もローカルシフトが強まっているようだ。