衣料品の夏商戦は最終処分段階に入る一方、早くも秋物を打ち出す店も多い。50年、100年に一度という酷暑(たしか昨冬も『50年に一度の酷寒』っていってたよね)の中で秋物に触手を伸ばす顧客は相当なファッションフリークだと思うが、それが衣料品業界の慣習だ。過剰供給と嗜好ギャップで年々消化が悪化し、売れ残りを恐れて投入を早める企業も多いが、早く投入しても実需期がこないと動かないから在庫が寝るだけだ。

 衣料品では作り手・売り手と消費者のギャップが年々広がり、値引きと残品で利益が残らず、それでも利益を確保しようと原価を切り詰め、それがまた顧客を離反させるという悪循環に陥っている。その背景は以前にも指摘したが(7月23日掲載の『衣料品はなぜ叩き売られるのか』)、裏付けのない欧米トレンド信奉も災いしているのではないか。