商品として使えないチップスを取り出す作業。替えが効かないほど熟練した人が担当する

コカ・コーラはアメリカという外国企業の商品だが、日本市場にしっかりと根付いている商品になっている。実は、外国市場を攻略したということは本当に凄いことなのである。では、翻って、日本の食料品で外国に根付いているものはどれだけあるのだろうか? そう考えたときに思い浮かんだのがカルビー。香港のスナック市場においてカルビーは40%を超えるシェアを獲得し、成功を収めている。

出来たての商品を消費者に

スーパーマーケットにずらりと陳列されているカルビーの商品

「日本好き」の国・地域という意味において、香港はその代表格と言っていい。2017年に日本を訪れた香港人は前年比21.3%増の約223万人だった。香港の人口は約730万人であることから約3分の1の香港人が日本を訪れたことになる。しかも、これまでの10回以上日本を訪れたことのある香港人は2割にも上るという驚異的な数字だ。
 香港に住めば、日本のモノが街中にあふれているだけではなく、最新のドラマが時差なく放映されたり、芸能ニュースもこんなところまで記事にするのかと驚くことがある。他にも香港人と会話するときに例えば「ガンダムの第○話のあのシーン」といえば、それを説明する必要はなく、日本人と同じ感覚で会話できる人が数多くいるというレベルといえば分かりやすいだろうか。それだけの浸透度があるのが香港だ。とはいえ、長らくイギリスの統治下であったことから、欧米企業の力も強い。香港市場において日系企業は、欧米企業と力をつけてきた中華系の企業と闘なければならない。

気さくな人柄の胡マネジング・ディレクター

 香港でカルビー製品を製造しているのは香港の最大手の食品会社である四洲集団(Four Seas Group)との合弁である「卡楽B四洲(Calbee Four Seas)」で、1994年に設立された。ちなみに四洲集団自体は1971年創業した。1976年からかっぱえびせんを香港に輸入している他、それ以外にも数多くの日本の食料品を扱ってきたこともあり2017年度の秋の外国人叙勲では戴徳豊主席が旭日双光章を授与されている。
「私は1993年に四洲集団に就職したのですが、翌1994年に社長から呼ばれてカルビーとの合弁会社で働くように言われました」と話すのが卡楽B四洲のトップである胡子釗(Edmond Wu)マネジング・ディレクターだ。つまり胡ディレクターは卡楽B四洲の生き字引と言ってもいい。