流通業界にバーコードが定着して久しく、レジ精算や在庫管理の効率化にICタグの導入が広がり始め、ショールーミングやID決済に便利なQRコードが再評価されてキャッシュレス化へと規格統一の機運が高まっているが、「商品タグ」という本来の役割は忘れられた感がある。売る側の情報管理という片側ばかりが追求され、お客さまに情報を伝えるという大切な役割が軽視されているのではないか。

タグの商品情報機能を復活させよう

「商品タグ」の第一義的役割は顧客に商品情報を伝えることのはずだが、いつの間にか在庫管理ツールと思い込んでしまい、バーコードばかりが目立って商品情報がおまけになった感がある。衣料品など、手に取ってよく見ないと読めないほどプライスの印字が小さく、その目立たない「商品タグ」をわざわざ隠して陳列するアパレル業界の慣習は“カゴ落ち”要件の最たるものだ。

 ECでの購入慣習が定着した今日では価格や素材、洗濯表示はもちろん、色・サイズの構成やサイズごとの各部実寸と重さの表記、購入者の評価レビューまで見て選択するのが当たり前なのに、売場ではいまだタグを隠す慣習が続き、素材や洗濯表示、生産地は商品をひっくり返して洗濯タグを探さねばならない(稀に「商品タグ」に表記されているケースもある)。各部の実寸や重さなどどこにも表記されてはいないし、色・サイズの構成も表記されていないから、欠品していても分からない。

 これでは『買うな』と言っているにも等しく、商品情報のみならずSKU別在庫表示や店舗在庫検索まで当たり前になったECとの購入利便格差は大きい。タブレット接客でECサイトの品揃えと商品情報を提供すればこのギャップを埋められるが、ショールーミングを恐れてタブレット接客を妨げる百貨店や商業施設が少なくないのは時代錯誤というしかない。

 せめて「商品タグ」を隠す慣習だけは止めて取り付け位置も統一し、素材と洗濯表示、色・サイズの構成やサイズごとの各部実寸と重さぐらいは表記しないと誰も店で買わなくなる。タグは大きくても2つ折りでもよいが、表記し切れないならQRコードでECサイトに飛んでもらってもよいだろう。