SNSが新しいサービス誕生の弊害に

 今回の騒動のように、一般のお客さまからSNSで情報が一挙に拡散することも意識しなければならない。

 SNSの情報は声が大きい、いわゆる 拡散力の強い情報が正となりやすく、また、革新的なことは批判され、本質とは異なることも含め、さまざまな情報が入り乱れてしまう。そのため、ケースバイケースだが、大手コンビニのスタイル(マスのお客さまの正直な反応を見ながら進める)と相反して新しいサービスが生まれにくくなってしまう弊害もある。

 そんな現在は、これまでのやり方とは逆に実験検証で理論構築していくことが重要になる。お客さまの意見を聞きながら、試行錯誤して最適解をなるべく時間をかけず、かつ慎重に求めていくことが、これから大事になっていく。お客さまのニーズとウォンツを的確につかみ、変化対応していくのが小売業の生業で一番大事なことだからだ。

 今回の生ビール販売の実験中止では、経営陣への「報・連・相」不足との報道もあったが、お客さまに告知し展開を掲示しているのだから、報告があった段階で経営陣は早急な実験対応の最適解を見つけるべきではなかったかと思う。

 本格展開は慎重になるべきだが、お客さまの販売動向を理解する実験なのだからなおさらだ。

日本のコンビニはレベルアップが求められている

 今回の件もそうだが、駐車場の無い店舗で販売し飲酒リスクを防ぐなどの考えもあり、今後、コンビニ業界では全国一律の対応から立地に応じた展開への切り替えや、サービスに対するルールの縛りを個店に合わせて外すなどの形になっていきそうだ。

 今、日本のコンビニには「変化対応+多様なニーズに対応」とレベルアップが求められている気がする。

 コンビニの生ビール展開について、複数の関係者に話を聞くと大手コンビニでも、来年夏には特定立地店舗での実験や展開がスタートする可能性が高そうだ。

 新しいものを生み出してきたコンビニから今後、どんなアッと驚く商品やサービスが生まれていくのかを考えるだけでワクワクする。