ドラッグストア「コスモス」の急成長ぶりが際立つ。株式会社コスモス薬品の2018年5月期決算は5579億円(前年比111.0%)、営業利益227億円(同102.3%)。10年前(1482億円)から4倍近い拡大である。店舗数は発祥の地である九州528店を中心に中・四国256店、中部・関西で128店、計912店(2018年5月末時点)。

 ドラッグストア業界の売上高順で見るとウエルシアホールディングス(2018年2月期営業収益6952億円)を筆頭にツルハホールディングス(同5月期6732億円)、サンドラッグ、マツモトキヨシホールディングスと続き、コスモス薬品は5位に位置する。

 営業利益率は4.4%もウエルシア(4.1%)と同水準、ツルハ(6.0%)にはむしろ後れをとっている。

 ただし、売上総利益率19.8%は先述の2社(ウエルシア30.2%、ツルハ28.6%)とは段違いの低さ。さらに15.5%という販売管理費比率の低さが先の営業利益率を弾く。

食品売上構成比と調剤に頼らない営業効率

 コスモスの特異な営業効率には2つの要因が挙げられる。

 第一に56.2%を占める食品売上構成比。もともと同社は小商圏メガドラッグストアをコンセプトに食品売場を取り込んだ1000~2000m2の店舗を展開してきたが、2011年度から食品構成比が5割を超え、現在までじわじわとその比率を高めつつある。しかもグロサリー、デイリーなどの部門中心で生鮮食品を扱わず、またEDLP政策の採用により加工および売場切り替え作業に伴う人件費も低減される。

 第二に急速な出店の一方で調剤設置にこだわっていないと思える点。同社の貸借対照表を見ると計上される「売掛金」の低さが目立つ。

 2018年5月期は9100万円(前の期は2200万円)。売掛金とは販売時の未収入金を指し、商品やサービスを提供した際の代金授受が後日になる場合に計上される。ドラッグストアでは、健康保険適用対象の保険調剤がこれに相当する。例えば3000円分の調剤売上高が発生した場合、患者の自己負担分(3割)900円は現金収入となるが、健保負担分(7割)2100円は社会保険診療報酬支払基金の審査を経てからの支払いとなるため(期間は約2カ月)、その間「売掛金」に計上されることになる。

 ちなみにウエルシアが235億円、ツルハが231億円とそれぞれ貸借対照表上の「売掛金」に計上されている。

 効率性の目安である売上債権回転率(営業収益÷期中平均売掛金)を算出してみると、ウエルシアが32回転、ツルハ28.5回転となる。約30回転をドラッグストアの標準とみるならコスモスの8000~9000という回転率にも同社の異質さが出ている。

 薬剤師の配置が必要であるが、40%前後の利益率が見込める調剤は多くのドラッグストアにとって強化部門である。その一方で、低粗利低経費によって高い経営効率を維持する同社は、ドラッグストア、スーパーマーケット双方にとって異端であり、脅威でもある。