オープンして10年目のニトリ新発田店は、車での来店が98%。人口10万人の新発田市の30%が65歳以上で、同店は高齢者をターゲットにした売場づくりにも注力。

「サービス オブ ザ・イヤー」とは、抜き打ちで専門の調査員がお店に訪問し、買物や食事をして、接客や店舗などのサービスレベルを評価する「覆面調査(ミステリーショッピング)」による店舗コンテストです。

 2014年から毎年開催し、調査店舗数も初回の1661店、第2回が2145店、第3回が2929店、第4回が3330店、そして今回から飲食部門も加わり、物販4945店、飲食588店、合計5533店と昨年の1.5倍となりました。

 本連載では、「サービス オブ ザ・イヤー2018」で優秀な成績を修めた店舗を紹介します。

見て、触れて、試せるリアル店舗の利点を凝縮

 ニトリの店舗運営には「また来たい、また来てほしい店づくり」というスローガンがある。そのスローガンを具現化し、『サービス オブ ザ・イヤー2018』において売場づくり大賞を受賞したのがニトリ新発田店だ。

 同店が立地する新潟県内に、現在ニトリは8店舗、商圏2km内には他社のホームセンターや家具店が建ち並び競合も激しい。そんな新発田店がお客に選ばれるために心掛けているのが、他店に比べ商品を完全な状態で展示することに徹している点だ。常にお客視点で試しやすく、分かりやすい売場づくりを追求。商品の欠品防止はもちろんのこと、値札が読みやすいか、目線をあまり動かさずに商品を眺められるかなど、チェック項目は多岐に渡る。

イエローとグリーンで色鮮やかなトータルコーディネートが施された室内の演出。実際のイメージを喚起しやすい空間提案だ。
ベッドコーナーも体験型商品展示が施される。すべてのベッドの足を置くところにシートが敷かれ、靴をはいたままでも試すことができる。

 

トータルコーディネートと体験型商品展示で価値創造

デッドスペースを活用したフレグランスのテスター設置。すべての商品の香りを試すことができるように、写真の加藤秀樹店長自身が施工した。

 ニトリの強みといえば、トータルコーディネート。店内には部屋をイメージした多数のディスプレーが配置してあるが、営業中少しでも乱れたらクイックに手直しすることを徹底している。

 また、店内の商品は全て試すことができる体験型展示に注力していることも強みの1つだ。それは新発田店において特にフレグランスコーナーに象徴される。新発田店は売場面積1013坪と小型店のため、テスターの置き場所がなかったが、全ての香りを試せるようにしたいとの考えから、大きな柱のデッドスペースを有効活用して香りを試せるようにした。ネット通販では香りを嗅ぐことや感触を試すことはできない。直接見て、触れて、試して、五感で感じて品質に納得してから購入できる。そんなリアル店舗の利点を最大限に生かした点が、お客に支持され、今回の調査で評価されたゆえんだ。

 こうしたセルフセレクションしやすい売場づくりと並行して、現在ニトリでは接客スペシャリスト育成にも力を入れている。近年始まった試みとして、パートを含めた全従業員を対象にした年に一度の「接客コンテスト」を開催している。

 ニトリは、定評のある商品力に加え、ホスピタリティレベル向上のためのマナー研修や商品知識の強化など、教育に特化した組織づくりを進め、チェーンストアに不可欠な高いレベルで標準化された接客力も手に入れようとしている。

 

 

【お知らせ】『サービス オブ ザ・イヤー2018』が2018年6月30日に発売になりました。優秀店舗の事例研究や、エリア・業態・立地などを切口にした専門家による傾向分析などを掲載。最新の小売・サービス業のトレンドを知る上でも欠かせない1冊となっています。