この時季、「なんだか疲れが取れないな……。夏バテかな」とだるさを感じませんか。最近は9月でも残暑が厳しいこともありますから、早めにケアしたいですね。 今回は夏バテではなく貧血について解説します。

鉄が不足すると鉄欠乏性貧血に

 体内には3~4gの鉄が存在しています。その約70%は、血液中の赤血球成分として存在し、全身に酸素を運ぶ「機能鉄」です。残り30%は、その機能鉄が不足したときのために「貯蔵鉄」として肝臓や骨髄などに蓄えられています。鉄が不足すると鉄欠乏性貧血になります。成長期や月経時の女性、特に妊娠中は注意が必要です。

夏バテと思いきや貧血の可能性もあり

 貧血の症状としては顔色の悪さやめまい、立ちくらみなどがよく挙げられますが、だるさや疲労感も鉄欠乏性貧血の症状の一つです。健康診断の数値が正常な人でも隠れ貧血(潜在性鉄欠乏症)の場合があります。特に夏はだるさや疲労感から夏バテと誤解する人もいますが、実は貧血の可能性も否定できません。さらに鉄が不足すると筋力や持久力、集中力が低下し、本来のパフォーマンスを維持できず疲れる恐れがあります。肉をあまり食べない、朝食抜き、カップ麺やおにぎりなど炭水化物だけを組み合わせたランチは、動物性タンパク質、野菜が不足し、貧血になりやすい食事といえるでしょう。

鉄が多く含まれる食品を取ろう

 鉄には、動物性食品に含まれるヘム鉄と、植物性食品に含まれる非ヘム鉄の2種類があります。体内への吸収率はヘム鉄の方が高く、動物性食品が効果的です。代表的な食品はレバー(豚レバーに多い)、牛肉、マグロ、カツオ、アサリなど。また非ヘム鉄は小松菜やホウレンソウ、枝豆、納豆、切り干し大根、ヒジキ、カシューナッツ、アーモンドなどに多く含まれ、ビタミンC(野菜、果物、芋類)と一緒に摂取すると吸収率がアップします。

日頃の食事から鉄不足に備える

 貧血対策は日々の積み重ねです。改善には数カ月を要しますので、日頃から鉄摂取を意識したいところです。  

 例えばコンビニのメニューですと、アサリ入りのご飯やスパゲティ、マグロ入りおにぎり、惣菜ではホウレンソウのおひたしや白あえ、切り干し大根煮、ヒジキ煮などは鉄が取れます。菓子類ではレーズン、プルーン、チョコレート、ポップコーンに鉄が含まれます。ただし、レーズンやチョコレートは高エネルギーなので量に注意したいところ。糖分が多い菓子ばかりではなく、時には鉄が補えるおやつを選びましょう。

 夏バテ対策は小まめな水分補給や塩分不足を意識しがち。でも、食事をバランスよくしっかり3食取ることで貧血や夏バテを予防できます。単なる夏バテと思わず、普段から十分な鉄補給も意識しましょう。

 

 

※本記事は『ファッション販売』2018年8月号に掲載されたものです。内容は取材当時のものです。

※『ファッション販売』はオンラインストアや紀伊国屋書店など大手書店で発売しております。