「ゾゾスーツ」自動採寸によるPB「ZOZO」の短納期オーダースーツで紳士服市場に革命を仕掛けるZOZOTOWNはECのネックたる“ささげ”も革命しているのかと日本テレビの「深イイ話」で垣間見て、さっそく調べてみた。

モデルがリモコンで自撮り! 

「ZOZO立ち」が話題になっているが、それをZOZOBASEに取材したテレビ番組(日本テレビの「深イイ話」)を見て正直、驚いた。何とカメラマンが存在せずモデルが自撮りしていたのだ。

「ZOZO立ち」はモデルがカメラ目線を外して斜め下を向き自然なポーズをとる立ち姿で、目線を外すから商品に関心がいき、顎から首筋がすっきり見えて誰でもかわいく見え、簡単なポーズだからバイトモデルでも見栄えがそろい、多数の写真を並べたときもスッキリまとまる。何より肝なのがカメラマンがポーズや目線を指示する必要がないことで、画角や絞り、シャッター速度などを目的別に設定したアプリをスタンドに固定したタブレットに組み込んでおけば、モデルがリモコンを握ってどしどし自撮りできる。慣れたモデルなら商品の見栄えも工夫しながら、けっこうなペースで撮影できるのではないか。

“ささげ”の遅れはECのアキレス腱

 何でも速そうなECだが、実は商品の掲載は店頭に遅れをとることが多い。今年3月のSPACメンバーアンケートでも、平均遅滞日数は昨年の5.3日から6.6日に広がった。その要因は“ささげ”の渋滞で、採寸・計量、撮影、キャッチコピーや説明原稿の作成という「ささげ業務」は投入が集中すると処理し切れず、押せ押せになってしまう。

 その間、商品は販売機会がなく倉庫で眠ったままだから、“ささげ”の遅れはECのアキレス腱になる。ゆえに各社は作業の効率化や外部活用で遅滞の圧縮を図っているが、品揃えの拡大と表現水準の高度化で「ささげ業務」は年々肥大しており、販売商品が入荷してから“ささげ”するのでは追い付かなくなっている。シーズン前に展示会を開催したりプレスルームに先物サンプルをそろえるアパレルメーカーはサンプルを転用できるが、展示会を開催しないSPAチェーンでも“ささげ”用に全色サンプルを先行製作するケースが増えている。

 アパレルECの黎明期には品番の代表色を置き撮りし誤解のない程度に説明を記せばよかったが、数多のECサイトが氾濫する今日では商品表現のビジュアル感度も説明精度も競われるから、モデルが全色を着てさまざまなポーズと方向で撮影し裏地や付属など詳細クローズアップも加え、サイズ別の寸法のみならず重量まで計って記載するのが当たり前になっている。とりわけ手間が掛かり遅滞の原因になるのがモデル撮影だ。