NSCのフォレストモール石岡の核店として出店。家電のヤマダ電機が出店しているため、商圏は比較的広域になるとみられる。

 ヨークベニマルが7月13日(金)、茨城県石岡市に石岡西店をオープンした。東方向に約1.6kmには、2006年12月のオープンで年間二十数億円を売り上げる石岡店があり、今回の出店で石岡市東部のドミナントを強化した形だ。ネイバーフッドショッピングセンター(NSC)の「フォレストモール石岡」内への出店で、ヨークベニマルの他、ヤマダ電機、サンドラッグ、ダイソーなどが軒を連ねる。

 売場面積は近年の標準店よりやや大きい714坪で、奥主通路に平ケースや島陳列を設けたダブルトラック方式とするなど大型店タイプの売場づくりを踏襲している。ただし、アイテム数は食品8330、住居用品2300の合計1万630アイテムと、標準的なレベルにとどめている。年商予定も、比較的広域からの集客が見込めるNSC出店であるにもかかわらず15億円とかなり保守的に見積もっている。

 特に大型店の場合は日常生活をベースとしつつも、商圏内のシェアを高めるためにハレの商品も付加したマーチャンダイジングとなるが、一定程度その要素を付加しながらも、石岡店とのすみ分けを含めた慎重なフォーマットづくりが進められていることになる。商圏は半径1km圏内に5176人、2km圏内に1万9212人、3km圏内に4万2411人といった状況で、NSC出店のメリットを生かしながら比較的広域からの集客が求められる。

インとアウトを使い分けながら、即食商品、半加工商品の強化

鮮魚売場でも素材がセットになっていて、そのまま電子レンジで加熱するだけで調理できる半加工商品をコーナー化。店内加工。

 生鮮食品では、青果のカットフルーツ、タルト、あるいは鮮魚の焼き魚など即食商品の充実と併せ、電子レンジなどで簡単に調理できる半加工商品の強化が顕著。ヨークベニマルは生鮮食品を差別化の大きな武器と考えており、特に鮮魚と精肉では店内加工による出来たて、作りたてにこだわっているが、こうした即食商品や半加工商品についてはアウト加工も活用しながら充実を図っている。

 惣菜売場を担当する子会社のライフフーズも、もともと加工度の高い商品を扱っていることもあって、こうしたインとアウトの使い分けについて長きにわたって追求してきた。店内加工については、店内で製造することが大きな競争力を生む温惣菜と米飯などに絞り込みつつ、自社工場で製造した電子レンジなどでの加熱前提の商品を含む冷惣菜や冷凍の商品を充実させることで店内加工を大幅に減らしてきた経緯がある。

石岡西店の目玉の1つといえるバイオーダーの軽食売場。たこ焼きやたい焼きは製造の様子も良く見える構造。昨年4月から既存店を改装して展開してきた集大成の形を投入。導入店としては10店目となる。

 一方で、一部既存店に導入し、成果が出ているバイオーダー方式(注文に応じて製造、提供)の売場を新店として初めて導入するなど、めりはりを付けながら人時の投入も図る。ライフフーズのベーカリー部門による運営で、ピザ、フライドチキン、コッペパンを活用したチキンバーガーなどを提供する「mj」(モンペリエジュニア)とたこ焼き、たい焼きなどを提供する「タコタ」の2つの売場を設置。もともとパンの製造や専用レジ設置の必要性が高い分野のため、バイオーダーの業務とも親和性がある他、構造的に収益性に課題を抱えている同部門にとって、売上げ、荒利益面での貢献が大きいこともある。

 さらに、「出来たての商品をその場で食べる」という意味では昨今、飲食機能の付加として話題となっている「グローサラント」の要素を取り込むことでもあるため、結果として「食」のシェアアップにもつながる重要な位置付けを持つ売場となる。バイオーダーの売場を設けたこともあり、石岡西店ではベーカリーの売上高構成比については4.2%と、かなりの高水準を見込んでいる。