スイーツ新業態にチャレンジするのは不動産・エイブル

 実はこの「回転スイーツ」の運営元は、名前にもあるように不動産賃貸仲介サービスを提供する「エイブル」なのです。

 なぜ、不動産会社が飲食の新業態に挑戦できるのでしょうか?

 同社は、賃貸で1人暮らしの女性を応援する会員クラブ「メゾンエイブルクラブ」を提供しています。エイブル店舗を利用して1人暮らしを行っている女性なら無料で会員向けサービスを利用できるようになっており、これが他不動産会社との差別化につながっているのです。

 会員向けサービスの提携先としては、ファッションレンタルサービスの「airCloset」やフェイスマスク「LuLuLun」、リムジン女子会「アニバーサリーR」など15の業態がラインアップ。いずれもターゲットである若い女性が喜びそうな商品・サービスをそろえています。

 まずは自社のターゲットである若い女性を他社と協力して集客し、彼女たちの好みや属性などを「メゾンエイブルクラブ」提携企業間でシェアする。シェアした情報をもとに、各企業ともより良いサービスにつなげていく。自社で足りない部分は積極的に他社と手を組み、サービス拡充に努めていくというのは、非常に面白い取り組みだと思いました。

体験者視点で行う、ユーザー目線の空間づくり

賃貸雑誌の編集長経験もある赤星昭江さんは、山口から上京してきた際に感じた自身の思いを店づくりに込める

「MAISON ABLE Cafe Ron Ron」の企画の中心となっているのは、賃貸女子応援企画グループ・グループリーダーの赤星昭江さん。きっかけは、彼女自身が上京した際に趣味や食事に使えるお金が少なく、体調を崩したことでした。

「賃貸女子は夢を持って上京しているはず、彼女たちを応援したい」という等身大の体験者として、友達と会話を楽しみながらお腹いっぱい食べられる空間を作りたかったと語ります。

 

 年間来店客数の目標は9万人を見込み、店舗は広告戦略という位置付けで始めます。LINEの友達追加を行うとチケットが毎回100円割引となる仕組みを作り、来店客の3割を会員として取り込むことを目標としています。

 

「若い女性」という同じターゲットを顧客設定している他社と協力し、その結果、自分たちの専門ではない飲食分野で新業態を手掛けているのが、とてもユニークに感じられました。貴重なターゲットに関する情報を独占せず仲間の企業間でシェアするというのも、非常に「今っぽい」戦略です。

 今回、企画・運営を担当する「TRANSIT GENERAL OFFICE」も、台湾発かき氷「ICE MONSTER」やNYで人気の「DOMINIQUE ANSEL BAKERY」を日本に上陸させて話題にしてきた会社なため、期待も高まります。

 さらに、できたショップはインスタ映えやSNSでの話題性を狙うパステルカラーを基調としたキュートな内装。自社の強みである不動産業ならではの視点やセンスもしっかりと生かされています。