「ジーユー」が苦戦している。16年8月期には3割以上の増収増益だったが、今期は2期連続の営業減益に陥る見通しだ。
ジーユーの柚木治社長。

 ファーストリテイリングが展開する低価格業態「ジーユー」が苦戦している。2017年9月~18年5月の第3四半期連結決算(国際会計基準)で、ジーユー事業の売上げは9カ月累計で1666億円(前期比6.4%増)、営業利益150億円(同1.7%増)とかろうじて増収増益を確保したものの、今年3~5月の3カ月間では売上げは3.3%増、営業利益は20.0%減と増収ながら大幅な減益に陥った。

 今年3~5月の既存店売上げは前年を下回った。春夏のキャンペーンで打ち出したマドラスチェックのボトムス、トップスやロングスカートなどの商品の販売が不振で、計画を大幅に下回った。

 またこの1年間で品番数を大幅に増やしたことで、ドット柄、ストライプ柄のシャツ・ブラウス、ワンピース、ハイウエストストレートジーンズといった売れ筋商品が欠品した。

 早期の値引きによる在庫処分を進めた結果、3~5月の荒利益率は1.9ポイント低下、経費率も1.2ポイント上昇し大幅な減益に陥った。「売れた商品はあるが、売れない商品を大量に抱えてしまった」と岡﨑健グループ上席執行役員CFO(最高財務責任者)は振り返る。

 今年6~8月はシーズン末の在庫処分が増え、荒利益率が低下、赤字幅が拡大すると見て、下期だけでなく通期でも2期連続の減益を見込んでいる。

トレンド商品を絞り込み、企業構造を変革

 業績回復に向けて、来期(19年8月期)は商品構成を見直す。防寒衣料、デニム、Tシャツ、ラウンジウエアといった実需商品の割合を増やすとともにこれら実需商品にも「ジーユー」らしいトレンドの要素を盛り込む。またトレンド商品の品番数を大幅に絞り込み、よりマストレンド商品にフォーカスする考えだ。

 一方で、「ユニクロ」事業で進めているいわば企業構造の変革運動である「有明プロジェクト」を「ジーユー」でも本格的に進める。サプライチェーン全体を見直し、情報を商品化する「情報製造小売業」へと脱皮する。すなわちお客のニーズをいち早くキャッチして分析し、商品企画や数量計画に反映できる体制へ構造を変える。また素材調達や生産プロセスを見直すことによって、圧倒的な低価格を目指すという。

 「ジーユーが抱えている課題は有明プロジェクトで解決できることばかり。ユニクロでさえまだ半分もできていない。新しい仕組みの構築や精度の向上はまだ道半ばだ」と岡﨑CFOは語った。