開店当時のH&M銀座店

 フォーエバー21に続いてH&Mまで日本進出1号店を閉店する。フォーエバー21は2009年4月開店の原宿店を17年10月15日に閉店したが、H&Mも08年9月13日に開店してファッストファッションの震源地となった銀座店を7月16日で閉店する。 

 一時は日本市場で破竹の勢いだった外資アパレルチェーンが17年春以降、急速に勢いを失って店舗整理や撤退が続出。秋冬にはH&Mに続いてZARAまで失速し、18年春夏では両者とも既存店売上げが2桁減に落ち込んだと推計される。

 

 それは中国に進出した日本のアパレルチェーンとて同様で、ハニーズは9月末をめどに全店舗を閉鎖すると発表。ストライプインターナショナルもアダストリアも中国市場では大苦戦で、店舗整理せざるを得ない状況だ。うまくいってるのはベーシックで万人受けするユニクロと生活雑貨中心の無印良品ぐらいで、多少なりともファッション性を訴求するレディスアパレルは総崩れの感がある。

エスニックマーケティングは小売りの常識

 日本市場での外資アパレルチェーンの失速も中国市場での日本アパレルチェーンの挫折も、背景は共通している。それは各国市場の時代の社会状況やライフスタイル、各民族に通底する衣装文化の多様性を軽視した一方通行の押し付けに限界があるからだ。

 人種が交錯する欧米ではネグロイドやモンゴロイドはもちろんコーカソイドもアングロサクソン、ラテン、アラブに分けてマーケティングし商品企画や品揃えを組まないと期待する売上げが得られない。カソリックやプロテスタント、イスラムなど宗教でも生活慣習や消費行動は大きく異なり、地域によって52週の品揃えも売上指数も少なからず左右される。そんな「エスニックマーケティング」が小売りの常識として定着している。

 それはモンゴロイド市場の中国や韓国とて同様で、すらっと背の高い華北系とぽちゃっと小柄な華南系、それぞれの対応が欠かせない。日本にも進出している韓国の人気アパレルEC「Dholic」など、全ての商品を両方のモデルに着せて着こなしやフィットの違いを見せている。

 華南系モンゴロイドが大半を占める日本市場においては、外国人対応を除けば人種的体型対応より地域の生活文化や時代のライフスタイルへの対応が問われる。関東圏を例にとれば、トラッドマインドが強い城南〜湘南市場と×××マインドの強い北関東〜東関東市場では衣料品の嗜好や着こなしは人種が違うのかと思うほど異なる(×××はご想像いただきたい)。関西圏の阪神間と阪南の違いも似たようなものかもしれない。