全ては顧客視点から日本の流通小売業のサービルレベルを調査・ランキング化し、その年のサービス日本一店舗を決定する「サービス オブ ザ・イヤー」は2018年の今年で5回目を迎え、調査店舗規模は、北は北海道から南は九州・沖縄まで、日本全国小売業の衣食住フルラインにフードサービス業を加え、5533店舗にまで拡大。その中で18年度のサービスレベルの頂点に輝いたのが、ファンケルが展開する新業態「ファンケル ビューティ&ヘルス マロニエゲート銀座2店」だった。

 調査はミステリーショッパー形式で実施。買物が楽しくなるエキサイトメントと、ストレスフリーの買いやすさを兼ね備え、お客のセルフセレクションのしやすさを調査する「(1)売場づくり部門」、おもてなしの環境が整えられているかを調査する「(2)ホスピタリティ部門」、従業員のお客に対する一連の接客対応を調査する「(3)接客スキル部門」、最後の顧客接点の場である会計応対を調査する「(4)レジ・チェッカー部門」、店の整理整頓やクレンリネスの状況を調査する「(5)ベストウエルカム部門」、買物を通じて再来店意向を調査する「(6)CS(カスタマーサティスファクション)部門」の、6つの項目で実際に調査員の買物体験により調査した。

総合グランプリはファンケル、高レベルでサービスを標準化

 過去のサービス オブ ザ・イヤーで総合グランプリに輝いたJINSや無印良品などと同様、ファンケル ビューティ&ヘルス マロニエゲート銀座2店は、全項目100点、総合達成率100点満点と抜群の強さを示しての受賞となった。

 同店の受賞理由はこれだけではない。チェーンストアにとって“標準化”は最も重要な要素の1つだ。1店舗だけサービスレベルが突出していても、同じ看板を掲げた別の店舗を訪れたとき、そのサービスクオリティが劣っていれば、一気にお客からの支持を失う。同調査では、その標準化レベルを測るために、原則ランダムに各企業複数の店舗を調査。ファンケルは同店を含む5店舗を調査したが、どの店も総合達成率で90点以上と高いレベルでサービスクオリティの標準化を実現していた。

 ファンケル ビューティ&ヘルスは、OLファッションの聖地として32年間親しまれてきた「プランタン銀座」が17年3月、名称も新たに「マロニエゲート銀座2」としてリニューアルした際の、メーンフロアである1階に立地。館からの期待も高いこの立地で、新業態を任されたのは、同店のオープンを機に初めて店長職に就任した新任店長だ。にもかかわらず、高いクオリティで店舗を運営できる人材輩出のために、同社では13年に従業員教育専門の組織である「ファンケル大学」を設立。新人のための研修から技量の高い従業員向けの専門的なスキルを学ぶOFFJT研修まで、バックアップ態勢を充実。こうした“サービス先進企業”には学ぶべきベストプラクティスも多い。

5533店の最低点は29.6点、お客を失うサービスの格差

 今回調査した店舗の最高点は、ファンケルを含む13店舗が100点を獲得する一方、最低点は29.6点となり、上位と下位には大きな格差があるのが現状だ。ただし、最低点は16年度の24.7点、17年度の26.9点から着実に上昇、全店の平均総合達成率も17年度の76.6点と比べ77.9点と上昇。EC拡大に伴い、リアル店舗の存在価値が改めて問われている中、リアル店舗を擁する小売業各社のサービスへの意識向上が反映された結果と考えられる。

 調査では、再来店意向とサービスクオリティの高さに、強い相関関係が確認できた。ECを含めた競合激化の中、お客に選ばれる店になるために、サービス強化に動き出している企業は多い。もう一度、自店のサービスレベルを見直したい。