無糖茶飲料の市場規模の推移:13年1月~17年8月(インテージSRI)

近年の注目は麦茶とブレンド茶。なぜ伸びているか

 無糖茶飲料市場は、2013年以降成長を続けており、17年1-8月で販売金額2723億円(前年同月比102.9%:インテージ全国小売店パネル調査〈SRI〉調べ)と堅調である。カテゴリー別に見ると、無糖茶飲料である麦茶飲料やブレンド茶飲料の市場が拡大している。麦茶飲料やブレンド茶飲料は、カフェインを含まないことから、子供や妊娠中の女性など、幅広くユーザーを獲得している。

 麦茶飲料市場が堅調な理由としては、

  • ・共働き家庭の増加などを背景に、ティーバッグから家庭で作るのではなく、利便性の高いペットボトルなどの既製品の利用が増えてきていること
  • ・夏場の熱中症対策としての需要が高まっていること

などが挙げられる。また、伊藤園は、麦茶飲料ブランド「健康ミネラルむぎ茶」から、子供をターゲットにした紙パック飲料「こどもむぎ茶」を展開し、ユーザーを拡大している。インテージ全国消費者パネル調査(SCI)にて、ユーザー別の動向を見ても、主要ユーザーである男性30~50代だけではなく、若年層である10~20代でもユーザーが広がってきていることが分かる。

 ブレンド茶飲料市場では、とりわけ特定保健用食品や機能性表示食品が伸びている。例えば、サントリー食品インターナショナルは、緑茶カテゴリーの特定保健用商品である「伊右衛門 特茶」をブレンド茶カテゴリーでも展開し、16年8月に「特茶カフェインゼロ」を、17年6月に「特茶ジャスミン」を発売した。また、日本コカ・コーラは、脂肪を減らす機能を訴求した機能性表示食品のブレンド茶「からだ巡茶 Advance(アドバンス)」を17年1月に発売した。このように各メーカーが効用を訴求した特定保健用食品や機能性表示食品を積極的に展開していることが、市場拡大の要因となっている。

 

無糖茶飲料の性年代金額構成比:17年1月~17年8月(インテージSCI)

 

 17年1~8月の性年代別金額構成比をみると、無糖茶飲料計では、男性の構成比が61%を占めるのに対して、ブレンド茶飲料では54%と男性の構成比が小さくなっている。さらに、ブレンド茶飲料を特定保健用食品と機能性表示食品の効能別に見ると、特定保健用食品(血圧)では、男性40~60代で約63%を占め、機能性表示食品(脂肪・糖)では、女性40~60代で42%を占めるなど、性年代によって顕著な差が出ている。特定保健用食品(血圧)の商品は、高血圧を気にする中高年の男性に、機能性表示食品(脂肪・糖)は、脂肪や糖分の取り過ぎを気にする中高年の女性に支持されるなど、訴求する効能によって、ユーザーが異なっていることが分かる。

 麦茶飲料市場は、夏場での熱中症対策としての需要の喚起や、子供向け商品の展開など、ユーザーを広げて市場を伸ばし、ブレンド茶飲料は、特定保健用食品や機能性表示食品など効用を訴求した商品の展開により、市場が拡大している。機能性表示食品は、15年4月に導入された制度であり、消費者庁への届け出により表示できることから、無糖茶以外の飲料でもさまざまな商品が展開されている。無糖茶飲料市場でも、今後も利用シーンや効能を訴求する商品が展開され、市場は堅調に推移していくものと考えられる。

 10月以降はホット商材の季節となる。無糖茶飲料市場の推移を容器別に見ると、ホットペットの伸びが著しい。ホットペットは350mlのサイズなど小型の商品が中心であったが、近年500mlの中型の商品が展開されるなど、市場が活性化している。15年、16年と暖冬が続いていたが、17年は平年並みとなるという予報も出されている。17年が冬らしい寒さとなれば、ホット商材にけん引される形で、無糖茶飲料市場は一層成長してきいくことが期待される。

(株式会社インテージ パネルリサーチ推進2部 アナリスト 木地利光)