PB「ゾゾ」の展開について語るスタートトゥデイの前澤友作社長。

 ファッションEC(電子商取引)サイト「ゾゾタウン」を運営するスタートトゥデイは世界72カ国・地域に向けたグローバルサイト「ゾゾドットコム」を立ち上げ、同社のプライベートブランド(PB)「ゾゾ」の海外における販売に乗り出した。お客個人の体形に合った服をオーダーメードで生産し、短期間で自宅に届けるという新しいビジネスモデルを国内外で実現する。PBは3年後に売上高2000億円を目指し、うち海外では40%に当たる800億円を販売する計画だ。

北南米、アジア、欧州など72カ国・地域で販売

「ゾゾドットコム」は7月3日に立ち上げた。米国やカナダ、ブラジルなどアメリカ大陸をはじめ、アジアでは中国や香港、台湾、韓国、タイ、インドネシア、マレーシア、シンガポール、フィリピン、インドなど、欧州も英国、フランス、ドイツ、イタリア、スペインなどに販売、豪州やニュージーランドなどオセアニア地区もカバーする。

「#ゾゾ100,000」キャンペーンとして日本を除く10万人を対象に採寸用ボディスーツであるゾゾスーツと「ゾゾ」のTシャツ、デニムをセットで無料配布。海外における顧客基盤づくりに着手する。

 これに合わせて1月末から国内向けに2アイテムで販売を始めた「ゾゾ」のラインアップを拡充。パターンオーダーではない完全オーダーメードのメンズのビジネススーツとドレスシャツの展開をスタートし、カジュアル商品でもメンズとウイメンズのストレートデニムパンツ、VネックTシャツなどの販売を開始。メンズ8型、ウイメンズ6型に品揃えを広げた。

 秋にはニットも立ち上げる予定で、島精機製作所のホールガーメント横編み機(縫い目のないニットウエアの立体編み上げ機)にお客個人の体形データを送って無人に近い状態で生産する。この他、自動裁断、自動縫製などオンデマンド生産機器を活用し省力化を進める。

 スタートトゥデイは昨年秋に着るだけで採寸できるとしたゾゾスーツを無料配布すると発表したが、その大量生産に失敗。スマートフォンのカメラで撮影する新たなタイプを自社開発し、巻き返しに乗り出している。

PB事業を柱にオンラインSPAへと転換

 海外展開では「PBを販売していく。ゾゾタウンを世界展開してく予定は今のところない」と前澤友作社長は話している。過去に中国から撤退するなど失敗してきただけに、世界戦略はPBの販売へと改めた。

 3年後にPBの海外売上比率を40%に引き上げ、10年後には80%に拡大する。PBの売上高は今期200億円(うち海外20億円)を計画し、3年後には2000億円(同800億円)を目指す。

 同社の2018年3月期の売上高は984億円(商品取扱高は2705億円)。3年後には売上高(3930億円を計画)の半分以上をPB事業が占めることになり、「ゾゾタウン」のサイト運営企業からオンラインSPA(製造小売業)へと転換するようだ。

 同社は省力化した生産システムの研究や人体計測の技術研究の他、「似合う服とは何か」「すてきな組み合わせとは何か」といったファッションの数理モデルの獲得と実用化の研究も進めており「ファッションECの会社からテクノロジーカンパニーに脱皮する」(前澤社長)として、新たなビジネスモデルの構築を目指す。