「OUR POLICY」とそのための「RULE」
アルコールを使用しない除菌剤

 上野店の現状はハラール認証を申請している段階でまだ取得はしていない。そこで「ハラール対応」ではなく、この概念を広げた「ムスリム対応」をうたっており、「ハラール認証を取得していないがムスリムに配慮した食材を使用している」という「MUSLIM WELCOME」を標榜するポスターを店内の目立つ場所に掲示し、また専用のメニューも作成した。

 そして、「当店はハラール認証を取得していないが、ムスリムの人たちにおいしいお寿司を食べてもらう努力をしている」という「OUR POLICY」とそのための「RULE」を詳細に掲示している。

 厨房の中では、ムスリム対応と一般の食器を分けて保管している他、洗い場も分けており、ムスリムの食器を洗う専用のスポンジも用意している。

洗い場でも分別のルールを保つ

マグロへのこだわりが海外で評判となる

黒板で本日のマグロの産地を紹介

 さて、板前寿司は築地のマグロ初セリで話題に上るチェーンとなっている。マグロのマーチャンダイジングに力を入れてメニューではマグロへのこだわりをアピールしている。マグロは中国をはじめ東アジア諸国で人気が高く、「SNSで『日本に行ってマグロを食べるには板前寿司に行くように』という評判が広がっている」(近藤氏)という。

マグロへのこだわりをメニューでアピール

 2年前から日本語、英語、中国語、韓国の4カ国語で、Webでマグロにこだわっていることの情報発信を行っており、これらが奏功してインバウンドの客数増に拍車を掛けた。

 また、お客さまからのオーダーにタブレットを採用、日本語、英語、中国語の3カ国で対応しており、同チェーンの中でこれを採用しているは3店舗目となっている(実際にはタブレットからのオーダー、リアルに口頭で告げるオーダーともに半々となっている)。

 インバウンド対応としては、スピードの速いWi-Fiを導入、USB携帯充電や、キャッシュレスの「Apple Pay」や「Alipay」での支払いを可能にした。客席は団体客に対応した30人貸切可能の半個室、5人、8人の個室も用意。これらの機能や店内構成は、これまでのインバウンド対策のノウハウが遺憾なく発揮されている。

オーダーにはタブレットも採用

 また、板前寿司は香港(20店舗)、インドネシア(10店舗)、シンガポール(1店舗)の現地法人とボランタリーチェーンの関係にあり、食材を共有化している(ちなみに海外では「板長寿司」の屋号で展開)。

 このような海外法人とのチェーンメリットを生かしながら、インバウンド対策に一層の磨きをかけて行く意向だ。