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株式会社板前寿司ジャパン(本社:東京都中央区、代表取締役:中村桂)が展開する「板前寿司」の最新店、12号店となる上野店が6月22日にオープンした。同チェーンは2007年に1号店の赤坂見附店がオープンして立ち上がり、webで英語による販促を熱心に展開することで欧米系、中国、韓国のインバウンドがお客の7割を占めるようになった。その板前寿司が上野店ではさらにムスリム対応を充実させ、インバウンド獲得増に向けて力を注いでいる。

店頭で価格を分かりやすく表示
インバウンドに人気の装飾

インバウンドが増加し続ける台東区

1階、2階を吹き抜け構成にしたダイナミックなエントランス

 上野店がある台東区は観光の町である。2017年6月のデータによると、年間観光客数は5061万人で前回(2014年)調査比12.4%(557万人)の増加となっており、そのうち外国人観光客は830万人で前回調査比は57.8%(304万人)の増加となっている。このような動向からインバウンド集客を得意とする板前寿司にとってはぜひ出店したいエリアが台東区であった。

 上野店を出店するきっかけとなったのは、台東区が行っている「ムスリム受入促進事業」に着目したことであった。これは2015年10月にスタートしたもので、台東区内の飲食店がハラール認証を取得した場合に「取得に要した費用の2分の1で上限10万円」の助成金を出すというものだ。同社執行役員の近藤誠氏はこう語る。

 

「当社の既存店ではインバウンドのご利用が多いのですがハラール対応をしていませんでした。そこで、上野店でハラール認証を取得して、そのノウハウを既存店につなげていくとムスリムを獲得できることになりインバウンドの対応力が強くなると考えました」

 そこでムスリム対応の第一人者である一般社団法人メイドインジャパン・ハラール支援協議会理事長の高橋敏也氏をアドバイザーとして招き、上野店のハラール認証取得に向けて動き出した。

 高橋氏はこう語る。

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「台東区の飲食店のハラール認証には3タイプがあります。もちろん、まずはその店に豚肉と豚由来のものはないのがハラール認証の大前提ですが、その中で、1つ星は食べ物の一部がハラール、2つ星は食べるものが全てハラール対応でお酒は置いている、3つ星は食べるものが全てハラール対応でお酒も置いていないというもの。板前寿司としては2つ星を目指していて、これを大規模なチェーン店であるわれわれが取得できれば、ムスリム・インバウンド市場にとって大きなアドバンテージを獲得できることになるでしょう」 

 ちなみに、ハラール認証を取得している飲食店(2018年6月現在)は、日本全体で176店舗、東京では81店舗、そのうち台東区は23店舗。東京でハラール認証を取得している飲食店の3分の1が台東区に存在しており、台東区の飲食店でハラール認証を取得すると、台東区が発行する「ムスリムおもてなしマップ」にハラール認証を取得している飲食店として掲載される。