三木里脇農場からコンポストファクトリーを臨む。

 イオンアグリ創造株式会社の三木里脇農場の隣には大栄環境株式会社のたい肥工場(コンポストファクトリー)がある。近隣のイオン系列の99店舗(イオン、マックスバリュ、ダイエー)から集めた生ごみ(残渣/ざんさ)をここでたい肥に加工し三木里脇農場で使用するというのが「食品リサイクルループ」だ。店舗から出た残渣が野菜となって店舗に戻ってくるため、特に「クローズド(完結型)である」という。

 2017年度の総回収量は4708トン(約15トン/日)、ここからできるたい肥は113トン。残渣の水分が発酵の過程で失われるため、重量は3%以下になる。

残渣からたい肥ができるまで

 本工場では「堆積発酵」という方式でたい肥を作成している。

 残渣はまず破砕されてビニールなどと分別される。

青いビニール袋とその奥が店舗から回収した残渣、左の大きな灰色の機械で破砕する。
残渣を機械に入れているところ。

 残渣には腐敗の元となる細菌が増殖しており、これを発酵に適した別種の細菌に置き換える必要がある。

 残渣は木くずチップと「戻したい肥」(すでに発酵が進んでいるたい肥。ここに発酵に適した細菌がいる)と混ぜられる。ブルドーザーでかき混ぜて酸素を入れながら60日間置く。

戻したい肥(濃い茶色の部分)に破砕した残渣(白っぽい部分)をブルドーザーで混ぜ込む。
発酵の熱で内部は60~80度にもなるため、かき混ぜると激しくゆげが立つ。ゆげは水分とアンモニアが含まれるため、ダクトを通って脱臭施設に運ばれる。

 発酵の過程で生じるアンモニアは悪臭の元となるため、そのまま放出することはできない。ダクトで脱臭施設に送られ、「生物脱臭法」という方式で薬品を使わず分解する。

右上に伸びた機械の先からふるいにかけられたたい肥が落ちてきている。左は大栄環境株式会社 常務取締役 大田成幸氏。
発酵の熱で内部は60度を超える。発酵の過不足のないように「腐熟度」を測ってから出荷される。

 十分に発酵したたい肥はふるいにかけられて木くずチップと分別され、検査を経てたい肥として出荷される。

「サステナブル経営」実現を目指す一環

 イオンは「ビッグチャレンジ2020」という「2020年までに廃棄物ゼロ」という目標を含む取り組みを行っており、この食品リサイクルループもその一環だ。

 とはいえ、このシステムは農場とたい肥工場が隣接している、残渣の回収先である店舗がほどよい密度で存在するなどの条件が必要なことに加え、焼却するよりコストがかかることから、採算がとれるまではまだ課題が多いといえる。

 消費者の啓蒙にも取り組む。イオンアグリ創造と大栄環境は「三木かんきょうフェスティバル」という小学生までの子供たちに農業体験や環境について学ぶイベントを開催している。2018年には第4回を迎え、3000人を超える来場者があったという。