ブロッコリーの収穫。本体が傷つかないよう、葉を長く残して出荷し、店頭に出す際に切る。

 イオンアグリ創造株式会社(千葉県千葉市)はイオングループの各店舗に野菜を供給・販売するイオン株式会社の連結子会社だ。全国に21の直営農場と70の提携農場を持ち、約30品目の青果を生産している。

 今回見学した兵庫三木里脇農場(兵庫県三木市)は12haの畑を持ち、社員7人、コミュニティと呼ばれるパート29人が働く。キャベツ、レタス、ブロッコリー、アオネギなどを作る。

 また、同農場では近隣のイオングループの店舗(イオン、マックスバリュ、ダイエーなど)から生ごみ(残渣/ざんさ)を集め、三木里脇農場の隣にあるたい肥工場(大栄環境株式会社)でたい肥を作り、農業に使用するというシステムを「食品リサイクルループ」とし、実験的に取り組んでいる(詳しくは第2回を参照)。

GLOBALG.A.P.認証は消費者には分からない

 G.A.P.(ギャップ)とはGood Agritural Practiceの略で、「農作物の安全」「労働環境」そして「環境保全」の3つの視点から審査し、基準をクリアした生産者に与えられる認証だ。イオンアグリ創造は「農業現場における継続的な改善活動」「作業効率の向上や安全性の確保などに関して、現場の作業者が中心となって知恵を出し合い、ボトムアップで問題解決をはかっていくこと」としている。

 G.A.P.は都道府県や国などが指定するものもあるが、最も大規模なのは世界基準であるGLOBALG.A.P.(グローバルギャップ)だ。これはドイツに本部があるG.A.P.規格で、世界で約16万農場(うち日本は約400農場)が認証を受けている。

 イオンアグリ創造は全ての直営農場でGLOBALG.A.P.認証を取得しており、三木里脇農場はそれに加えて有機JASの認証も目指す。直営農場21カ所のうち埼玉日高農場、大分臼杵農場の2カ所が有機JASとのW認証を受けている。

 具体的な検査項目には、例えば農薬が安全に保管されているか、残留農薬や放射性物質がないか、土壌や水質の検査、農具の整理整頓、清掃や衛生管理がきちんとされているか、事件や事故への備えがあるか、などがある。

 なお、G.A.P.は水産物のMSC、ASC認証のように商品に表示されることはない。これは「G.A.P.は商品差別化のツールではない」という理念があるからだ。つまり、他社と比較するのではなく、同業他社と協働して進めるべきだということだ。

 イオン農場はGLOBALG.A.P.の取得支援にも取り組む。同社のG.A.P.の担当者が出向いて指導をする形式で、2018年は60件ほどになる予定だという。セミナー情報はfacebookで公開している。