イラスト/永谷せん

ヒトの心は不思議がいっぱい。それを探るのが心理学。心理学は実践の科学です。実際に使えば理解も早いし応用も利くようになります。ご紹介する心理テクニックは現場で役立つことばかり。ぜひ使って販売力をUPさせましょう。

『ランチョン・テクニック』という言葉、どこかで耳にしたことはありませんか?

 これはグレゴリー・ラズランという心理学者が名付けたもので、簡単にいえば「人は食事中に関わりのあった人や物を好きになる」という心理法則を表した言葉です。

 何かの交渉をするにしても、会議室で行うより、レストラン等でおいしい食事しながら行う方が、相手からYESという返事をもらいやすいというのです。おいしい食事をとるというのは、誰にとっても心地よい体験です。その心地よさが同席者と結び付いて、その人の印象まで良くしてしまい、相手に対して心を開きやすくなるのです。

 このように、おいしい食事と相手とを結びつけてしまう心理を『連合の原理』といいます。

『連合の原理』が働くのは、なにもおいしい食事だけではありません。

 テレビのCMに起用されるタレントは、好感度の高い人ほど出演料も高くなるといわれています。

 それは、好感度の高いタレントほど『連合の原理』の効果が働き、商品の価値をより高めてくれるからです。

 魅力的な人が紹介する商品は、商品も魅力的に見えてしまうのです。それが『連合の原理』。

 同じ商品でも紹介する人によって価値が変わる。誰からも愛される人に紹介してもらえれば商品もより多くの人に愛される。だからこそ、企業はこぞって好感度の高い俳優やタレントを高額のギャラを払ってでもCMに起用したがるというわけです。

 女性誌の表紙に毎号美しい女性モデルが起用されるのも、モデルの持つ魅力が雑誌の内容と結び付いて雑誌の価値がより高まるから。カリスマ店員のいるショップに人気が集中するのも、彼女のカリスマ性がショップをより輝かせるからです。

 逆に、いくら商品に魅力があっても『連合の原理』の効果が働かないと、なかなか売上げにつながらないことがあります。もし、品揃えには自信があるのに売上げが伸びないと悩んでいる方がいるとしたら、『連合の原理』に着目してみてはいかがでしょう。

 最近、ファッション専門店なのに、おしゃれな本がまるでオブジェのように飾られ販売されていることで注目されたお店がありました。これも本の持つ「知性」や「ゆとり」のイメージを『連合の原理』でファッションと結び付けた好例といえるでしょう。

『連合の原理』は応用範囲の広い心理法則です。あなたもファッションと何か魅力のある物を結び付けて、お店をもっと輝かせてみませんか。