厚生労働省は、HACCPとは「衛生管理の見える化」であり、①衛生管理計画+②実施+③記録・確認をすることなので、「そんなに難しいことではない」と言っています。果たしてその通りでしょうか。

 では、HACCPの導入で一体、どんなことが必要になるのか。中小の小売店や飲食店などが導入することになる基準Bの飲食店の例を見てみましょう。飲食店というと、レストランやファストフード、ファミリーレストランなどが対象になりますが、惣菜などを製造している小売店のバックヤードも、調理施設という点では同じです。

「これからこんなことをするのか」「今、ここまでしているだろうか」ということを念頭に置いて、ぜひ自分の店の今を検証してください。

保健所や業界団体などと相談してつくります

 衛生管理は「一般衛生管理」と「重要管理」に分けられています。今回は「一般衛生管理」について解説します。

 衛生管理計画については、保健所や業界団体などと相談して作ります。その計画を、店主や従業員などが実施し、その結果をチェック担当者が確認し、記録表(チェックシート)に記載します(図表①)。

図表① 衛生管理計画の記録表例(飲食店の場合) 出所:厚生労働省『あなたのお店は大丈夫? 衛生管理を「見せる化」しませんか?』

小麦粉の包装が1袋破れていたら……

 例えば、「原材料の受入の確認」の場合

●いつ…納入時

●どのように…外観、におい、包装の状態、表示(期限、保存方法)を確認

●問題があった時…返品し、交換する

 という計画を立てます。

 その計画に基づき、原材料の確認をして、何も問題がなかった時はチェックシートの「良」に○をします。問題があった時はチェックシートの「否」に○をし、特記事項に「4/1朝、小麦粉の包装が1袋破れていたので返品。午後、再納品」といったように記録します。

冷蔵庫と冷凍庫の温度確認、どうする?

「冷蔵庫と冷凍庫の温度の確認」の場合

●いつ…始業前

●どのように…温度計で庫内温度を確認する(冷蔵:10℃以下、冷凍:-15℃以下)

●問題があった時…異常の原因を確認、設定温度の再調整/故障の場合、修理を依頼。食材の状態に応じて使用しない、または加熱して提供

 という計画を立てます。

 計画に基づき確認し、問題がなかった時は「良」に○、問題があった時は「否」に○をし、特記事項に「4/3 11時頃、15℃。20分後OK。いつもより出し入れ頻繁だったか」と記録します。