ファッションECの今後の課題

 試着、コーディネート提案、送料などサービスや、サイトのUIなどは最適化された方向性が出てくるので、表面上が同質化されていくのは1つの流れでしょう。その中で、ブランドやサイト自体がお客さまに対してどのような体験を提供したいか? 強みは何なのか? を問われる時代になってきます。商品画像も「らしさ」を表現する重要な要素であることは変わりません。また、特に商品まで同質化しがちなモールなどは、少しだけ他社より見やすい、買いやすいなどの「ほんのちょっとの差」を生み出すことが大切になっていくはずです。在庫連携、決済、サイト遷移、アプリなどのチャネルなど、顧客特性に合わせた本当に細かいメンテナンスがものをいうので、そこを各社とも継続的な努力が必要だと感じます。
 
 体験や伝えられる情報の質がリアル店舗とECでは異なります。ECだけの場合は、圧倒的に利便性を高めるか、他にはない体験をつくりだすかが勝負の分かれ目になると思います。

注目サイトはここ!

ベイクルーズストア
ドットst

 

 実力がある2サイト。今後にさらに期待したい。

 ベイクルーズストアとドットstは、アパレル企業において自社ECの2大巨頭だが、例えば、商品画像に大きな違いがあり、ベイクルーズはモデルにスタッフを起用(スタッフの個性や雰囲気で特色を出す)、ドットstはブランドによってプロのモデルを起用したり、物撮りなどを使い分けている(写真の撮り方や背景で特色を出す)という違いがある。この2社がどんな工夫をしていくかは業界の指針になるでしょう。

 

川添 隆(かわぞえ たかし)

株式会社ビジョナリーホールディングス 執行役員 デジタルエクスペリエンス事業本部 本部長
 1982年4月26日佐賀県生まれ。大学卒業後、サンエー・インターナショナルに販売・営業アシスタントとして従事後、サイバーエージェントグループのクラウンジュエルへ。ありとあらゆる業務に携わり2010年にクレッジに転職し、EC(電子商取引)事業の責任者として自社サイトの売上げを2倍以上、EC全体を2年で2倍に拡大する。13年7月よりメガネスーパー入社。17年11月よりビジョナリーホールディングスを兼務。18年5月に執行役員就任。デジタルハリウッド大学のオンライン講師や文化服装学院の非常勤講師なども務め、幅広く活躍している。