財務会計は別名で外部報告会計、管理会計は内部報告会計と呼ばれます。このときの外部とは銀行・株主を指します。財務会計は正しい数値報告が目的のため、集計では『正確性』が一番に求められます。一方、内部とは企業内の管理者を指します。管理会計の目的は正しい意思決定ですから『よいタイミング』での損益計算書アウトプットが求められるのです。

 従って、チェーンストアの現場管理者が見ている損益帳票類は管理会計のデータを使用していることになります。

財務会計のコストは事実のみ

 財務会計は正確性を求めていますから、そのコストデータは実際に使用されたコストのみが使用されて、損益計算がされます。1円たりとも、不正確は許されません。

管理会計のコストは3種類

 一方、管理会計のコストデータは、正しい意思決定を促すよいタイミングでのアウトプットが求められるために、3種類のデータが使用されています。

 1つ目は財務会計と同様に実際に使用されたコストです。店舗の損益計算の例でいえば、代表は人件費、水道高熱費などです。

 2つ目は案分コストです。店舗の損益計算でいえば、本部人件費やチェーン全体の販促費などです。店舗が直接使用していませんが、チェーン全体で使ったコストを店舗売上規模に応じて案分されます。また、店舗の部門損益でいえば、水道高熱費や販促費も店舗全体で使用したコストが案分されています。

 これらコストをその店舗やその部門のために使用した実際の費用を記録、計算しようとすると大変な時間とコストがかかってしまうため、案分という方法が採用されています。

 3つ目は計画コストです。この代表は退職準備金や福利厚生費です。これらはその年度に使用するであろうコストの計画データが入っています。

 このように、店舗管理者が常に見ている損益計算書では実際使用コスト、案分コスト、計画コストの3種類が使用され、その結果、損益計算書がタイミングよくアウトプットされているのです。

損益計算式を熟知し、イレギュラーを許さない

 そこで、必要になることは自社の店舗損益計算におけるコストデータの使用方法を知っていることです。たくさんのコスト費目がありますが、3種類のどれが使用されているか知っていますか? またその計算式は知っていますか?

 それを知らないようでは、正しい判断などできません。

 また、店舗の損益計算書ではイレギュラーが発生します。実際、使用コストの入力ミス、案分コストの案分方法が実際と合わない、計画コストが実際と合わないなど、いろいろな理由でイレギュラーが発生します。

 そのとき、現場管理者はイレギュラーを放置せず、上司、情報システム担当者へ報告し、イレギュラーの発生と想定原因を伝え、店舗損益計算書データの精度を上げる努力しましょう。この活動がチェーン全体の意思決定の精度を上げることにつながるのです。