駅ビル、駅ナカの高質スーパーとして知られている成城石井。同社の収益性とその源は意外と知られていない。

 現在の親会社であるローソンの決算参考資料によると2018年2月期140店舗、営業収益819億円、営業利益76億円、営業利益率9.3%。ちなみに2017年2月期の資料で発表された売上総利益率は41.8%。一般的なスーパーマーケット(SM)の場合、売上総利益率25%、営業利益率3%前後が水準とされる中では別格の収益性といえる。

 同じくローソンの傘下にあるローソンストア100(2018年2月期805店舗)が2億円の営業赤字。親会社のローソンも既存店伸び99.9%(売上総利益率31.3%)と苦戦する中でみても成城石井のビジネスモデルとしての特異性が際立つ。

 スーパーマーケット成城石井は1970年代半ば、当時の石井良明社長が先代から引き継いだ酒・食品店をSMに切り替えたのが原型。独立系のSMながら「世界中の食品を世界の街角価格で販売する」をコンセプトにし、輸入食品の品揃えを特徴としてきた。ボルドー産のワインを自社調達するなど独特の商品展開から高級スーパーのイメージが強かった。その後、2004年に外食チェーンのレインズインターナショナル、ファンド会社など経営主体は変わっていったが、2014年10月にローソン傘下となった。

駅ナカ出店と自社開発商品に強み

 ただし、成城石井という店舗ブランド、商品のコンセプトは変わってはいない。

 成城石井の特徴は2つ挙げられる。

 第1に出店政策。もともと名前にある通り、高級住宅街である世田谷区成城を起点にフリースタンディングのSMを展開していたが、2000年代に入り、駅ナカ出店に舵をとった。以来、展開店舗の8割が駅ナカ、駅ビル、駅前となっている。FC展開も活用しながら、関西、中部地域にも出店を広げている。

 特徴の第2が商品力。調達力と自社工場を活用した開発力。ワイン、乳製品含む日配はナチュラルローソンなどのグループ会社だけでなく他社SMへの供給も行う。

 自社工場では、人気メニューのプレミアムチーズケーキをはじめ、弁当、惣菜などの製造も行う。こうした製造小売りの一面が先述の高収益性を支えている。また品揃えでは例えばチーズもモッツァレラ、ゴルゴンゾーラなどをそろえるが、単にワインとの相性だけでなく、ブレッド、パスタなどさまざまなメニューとの付け合わせとして相応しい品種を提案しており、利用シーンの拡大を図っている。これは店内のPOP、パネルの表示でも分かる。

 首都圏、特に都心部に近い駅の通過、乗降客をターゲットとした商品構成と開発力が成城石井を支えている。