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『Vegewel』(以下、べジウェル)というレストラン検索サイトがある。ここでは、ベジタリアン(肉・魚介なし)、ヴィーガン(肉・魚介・乳・卵なし)、オーガニック、マクロビオテック、低糖質・ローカーボ、グルテンフリーの条件を満たすレストランを紹介している。現状は関東、関西という2つのエリアが中心となっているが、掲載店舗は全国1250店舗(6月15日現在)となっている。

このサイトを運営しているのは株式会社フレンバシー(本社/東京・渋谷区、代表取締役/播太樹)である。社名の由来は、不便なことを解消するという意味の「Free」と大使館の「Embassy」を掛け合わせたもの。同社代表取締役の播太樹氏によると「海外からやって来た人にとって不便なことを解決してくれて大使館並みに頼りになる存在、という意味を込めて名付けた」という。会社設立は2015年2月で、インバウンド向けの事業を想定して会社を立ち上げた。

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株式会社フレンバシーの代表取締役 播太樹氏

外国人が日本にいる間、不便を感じないように

 播氏は1987年生まれ。会社を立ち上げた経緯はこうだ。

 学生時代にアメリカのジョージア大学に1年間留学し、帰国してから海外からの留学生の支援活動を行った。2011年4月三井住友銀行に入社し、神戸で中小企業融資や貿易業務に携わった。2013年から財務省管轄のシンクタンク国際金融情報センターに出向。ハンガリー、モロッコ担当のエコノミストとして、日本政府や金融機関等にカントリーリスクの情報提供を行う。バックパッカーとしてこれまで20カ国以上を巡り、旅行者の視点で世界と日本を比較する中で、日本の外国人受入体制について問題意識を持つようになった。そして、2015年に会社を立ち上げ、出向先から銀行に戻るタイミングで起業した。

 日本の外国人受入体制についての問題意識を抱いたきっかけは播氏が留学から戻って学生生活を過ごしているときに遭遇したことと関係がある。

 それはアメリカ人の友人が日本に留学生としてやってきたが、彼は留学のプログラムを切り上げてすぐに帰国してしまったこと。その理由は、言葉の壁から始まり、住環境、アルバイト事情などさまざま。播氏はこれらの中に解決をしなければならない課題がたくさん積算されていると感じた。

 そこで外国人が日本にいる間に不便を感じないようなサービスを作っていこうと考えた。

 それがフレンバシーの社名にもつながった。就職先も将来の起業を想定して選択した。

 起業した当初はべジウェルではない別の事業を行った。当時は2020年の東京オリンピック開催が決まっており、インバウンドも増える傾向が顕著になっていた。

 インバウンドにとって不自由なことはどのようなことかを見渡した。当時、宿泊施設・民泊施設を貸し出す人向けのwebサイトAirbnb(エアービーアンドビー)が出始めたころで、インバウンドにとって宿泊事情には不自由な要素が少なくなっていた。

 そのような状況の中で、インバウンド向けのレストラン情報の分野が未開拓であることに気付いた。そこでこの分野のサービスを開拓しようと考えた。

 そのサービスの名前は「東京ディナーチケット」(現在は休止)。日本食のレストランに限定して、ユーザーがweb上でコース料理を英語で予約できるというもの。飲食店側には予約情報が電話で入り、自動音声で伝えるという仕組みである。日本食レストランの会員は、播氏が営業して開拓した。

 当時のコンセプトは「Eat like a local」というもので「地元の人と一緒に食事をしよう」ということだ。そこで客単価が3000円~5000円程度の居酒屋を想定していた。最終的には40店舗程度となった。

 予約が成立すると、その後にマージンを請求する仕組み。1件当たり500円程度で、コース料理の金額に応じて定額で行った。