イラスト・三田明彦

ヒトの心は不思議がいっぱい。それを探るのが心理学。心理学は実践の科学です。実際に使えば理解も早いし応用も利くようになります。ご紹介する心理テクニックは現場で役立つことばかり。ぜひ使って販売力をUPさせましょう。

 誰でもホメてもらえればうれしいものです。そして、ホメられれば誰でもお返しをしたくなります。

 売り手と買い手であれば、ホメてくれたお返しに買い手は思わず財布のヒモを緩めてくれることでしょう。心理学でいう『好意の返報性』が働くからです。

 問題はホメ方。「おきれいです」「とってもお似合いです」といくらホメ上げてもお客さまは苦笑いをするだけだった、なんて経験ありませんか?

 ホメるのって案外難しいもの。ホメ過ぎてウソ臭くなってしまったり、逆にイヤミっぽくなってしまったり。

 今回ご紹介するのは、そんなときに使える「マイ・フレンド・ジョン・テクニック」という心理話法です。

「友達のジョンがね、あなたのことすっごくセンスがいいってホメてたよ」と、直接ではなく友人(第三者)を介して相手をホメるのがポイント。伝聞話法とでも言いましょうか。

 ホメられる方も、利害関係にない第三者がそう言っているのならあながちお世辞ではないのかも、とホメ言葉を素直に受け取ってしまうのです。それだけにうれしさは格別。

 チャンスがあったら、ぜひこの心理話法をお客さまとの会話に活用してみましょう。

 例えば、ベテランの販売員がこう言ってお客さまをホメているのを聞いたことがあります。

「若い子って面白い表現をしますよね。お客さまは『着こなしオーラが出てる』ですって」

  若い販売員ならこんなホメ方もできるかも。

「店長におねだりされちゃったんですよ。お客さまに着ていただけたらうちの商品が映えるから、ぜひ試着してお店の中歩いてもらってって」

 上手なホメ方のもう一つのポイントは、本人があまり自覚していない意外な部分をホメること。

 スタイルに自信のある人は、「スタイルがいい」とホメられても、自覚していることなのでそれほど喜びません。人が喜ぶのは、自分が自覚していなかった長所に気付かされたとき。心理学でいう『自己拡大』につながるからです。

 さて、あなたは相手の気付かない長所、いくつ見つけられるでしょう。たくさん見付けられる人ほどホメ上手なはずです。