イラスト・三田明彦

ヒトの心は不思議がいっぱい。それを探るのが心理学。心理学は実践の科学です。実際に使えば理解も早いし応用も利くようになります。ご紹介する心理テクニックは現場で役立つことばかり。ぜひ使って販売力をUPさせましょう。

 営業や販売の仕事に慣れていない人にとって、初めてのお客さまに声を掛けるのは大仕事です。

 本人としては精一杯の笑顔で、「何かお探しですか?」と声を掛けても、お客さまは逃げるように去っていってしまう。その繰り返しを、どうやったら打開できるのでしょう。

  今回は、そのヒントを一つご紹介。

 人は自分と似た相手には、好意や親近感を抱きやすいものです。そして、相手が好きになればなるほど、しぐさや口癖、好みの食べ物やファッションまで似てきます。

 この「仲良くなればなるほど似てくる」という現象は、双子のタレントを観察してみるとよく分かります。彼らはしぐさから口癖までそっくりですよね。しかも、同時に同じことをしゃべったりもします。そんな2人を見ていると、ホントに気が合うんだな、仲がいいんだなと感心してしまいます。

 そんな風にしぐさが同調してしまう現象を心理学では「シンクロニー」(同調行為)と呼んでいます。

 あなたも経験ありませんか? 友人と食事をしていて、同時に調味料に手を伸ばして思わず照れ笑いしたこと。

 そうした経験をすると、なぜか気が合うような気持ちになるし、相手に親近感を覚えるようになるものです。

  そんな心理を接客に応用するのです。

 例えば、お客さまが商品の前で顎に指を当てて品定めをしていたら、さりげなくそばへ行って、あなたも顎に指を当てて考えるしぐさをしてみましょう。

 これは、鏡を見ているように同じしぐさをすることから、「ミラーリング」と呼ばれています。

 相手が首を傾げていたら、首を傾げるだけでも構いません。ただし、さりげなくやるのがコツ。

  そして、お客さまと目が合ったら?

「何かお探しですか?」は厳禁。知らない人に疑問形で声を掛けられたら、誰だって逃げ腰になってしまいます。

  お客さまと目が合ったらまず、とびきりのスマイル。そして、例えばこう言ってみてはどうでしょう。

「それ、私も買おうか迷ってるんです。いいですよね~、それ♪」 

 女性は特に“共感”をしてもらいたがる生き物。きっとお客さまはあなたに親しみを感じて微笑んでくれるはずです。

 これは、販売に限らず人と人の間の見えない壁を取り除くのに威力を発揮します。お試しを。