今回、取り上げる小売業の「グループ、GMS(総合スーパー)、SM(スーパーマーケット)」は、売上げ規模において、わが国の小売業をけん引する存在と言って差し支えないだろう。小売業は長年、金融や商社、建設・不動産、製造業などの業種に比べて、大手でも給与が低いと言われてきた。しかし、平均給与ランキングのトップクラスを見ると、年収1000万円を突破する企業はまだないものの、メーカーなどとは、それほど差がなくなってきていると言えそうだ。

 給与水準を左右するファクターの一つは労働生産性だ。例えば、生産ラインをオートメーション化し、付加価値の高い製品を少人数で生産しているメーカーは、労働生産性が高いため、高い給与を支払うことが可能だ。反対に、利幅が薄いのに、人手をかけなければビジネスが成り立たない労働集約型産業では、労働生産性が上がりにくく、給与も低く抑えられがちだ。小売業はそうした労働集約型産業の代表だったが、労働生産性アップに努めた結果、給与レベルが上がってきたと見ることもできる。

上位に集まる大手企業の持ち株会社

 ランキングでまず気付くのはイオン、セブン&アイ・ホールディングス(HD)、ユニー・ファミリーマートHDといった、日本を代表する小売業グループが上位にランクインしていることだ。これはほかの業種にも共通しているが、大手クラスの企業は資本効率、労働生産性が相対的に高い傾向にある(例えば、資本力のある大手小売業は、店舗設備や品揃え、サービスがよく、知名度や信用度も高いため、集客しやすいといったロジック)。つまり、従業員1人当たりの売上高や利益も大きく、給与もそれらに比例して高いのである。ただし、小売業グループの平均給与は、ホールディングカンパニー(持ち株会社)のみしか公開されておらず、グループ内のGMS、コンビニといった各業態(セブン&アイの場合、百貨店もある)の事業会社の給与水準が分からないのがネックである。