国内在住の女性(15~69歳個人)に人気の「スペシャルケア」商品は、訪日客が集まる店舗でも売場一等地に展開される事が多い。

内需縮小も、スペシャルケアは15年を底に回復基調

 2017年化粧品計の推計市場規模(金額)は約1兆3755億円(図表①、※前年比98.5% : インテージ全国女性消費者パネル調査〈SLI〉調べ)。

※1インテージ推計母集団(平成27年国勢調査準拠 15-69歳日本女性人口)より算出

 国内に在住する15~69歳の女性個人の購買データからの推計のため、「インバウンドを除く内需」を表しており、縮小しているのは構成比の約7割を占める基礎化粧品が芳しくないのが理由だが、その一方で、好調なカテゴリーも存在している。

 それは栄養クリーム・美容液といった、いわゆる“スペシャルケアカテゴリー”。2015年をボトムに、このカテゴリーは回復基調にある。

2017年は効能を表示できる基礎化粧品が市場に貢献!

 昨今、オールインワンタイプの商品を目にする機会が増えたものの、基礎化粧品の栄養クリーム、美容液は、化粧水などと同様、金額規模的にも大きいカテゴリーである(図表②)。

 

 また、商品タイプ別ではエイジングケアが3割を占め、ここ数年、堅調に推移している(図表③)。

 

 購入者は60代女性のウエイトが高いが、30代の購入も1割程度占めている(図表④)。

 

 日本の年齢構成比を反映してか、エイジングケアが栄養クリーム・美容液市場をけん引する1つのジャンルとなっているといえよう。

2017年のエイジングケアカテゴリーの伸長に寄与したアイテムの例として

ポーラ:リンクルショット メディカルセラム(美容液)・・・2017年1月発売

資生堂:エリクシールシュペリエル エンリッチドリンクルクリーム(栄養クリーム)・・・2017年6月発売

等の商品がある。これらは、「シワを改善する」という医薬部外品有効成分を配合した商品で、「効能として有効である」と認可を受けた成分を含むもの(日本香粧品学会で定めた、新規効能の取得のための抗シワ製品評価ガイドラインの評価基準において、有意性が認められた)。従来であれば「シワを目立たなくする」などという表現であったが、認可を受けたことで「シワを改善する」とより明確に表現することが可能となった。このような商品が生まれたことは、日本の美容業界、化粧品市場においてエポックメイキングなことといえる。

市場を活性化させる「テクノロジー」にも注目!

 同様のエイジングケア商品は、数は多くないものの上市や研究開発が続いており、今後も堅調に推移するものと予想される。化粧品は医薬品ではないために、「効果」の表現に苦慮するところが多く、情緒的な要素で差別化を図ることの多いカテゴリーである。一方、女性は複数の肌の悩みを抱え、個々の悩みに対し「解消された」と実感を得ることが難しい。生活者の期待に応える商品の登場に今後も期待したい。

 今回は、シワ改善を打ち出したカテゴリーを紹介したが、成分に関する研究開発以外にも、アプリ上でベースメイク、ポイントメイクを実際自分の顔でシミュレーションできる、AR(拡張現実)技術を駆使したサービスも既に存在している。生活者に寄り添うテクノロジーとカテゴリーの在り方が今後の市場活性化のキーワードの1つになると考えている。

(株式会社インテージ パネルビジネス推進部 アナリスト 中林令王)