ワーホリで日本にやって来た若者が活躍

 東京の歓楽街や観光地では日増しにインバウンドが増えている。原宿も同様だが、インバウンドの年齢層が若い傾向を感じる。

 原宿の表参道交差点近くに「ワーキング・ホリデー」(以下、ワーホリ)をテーマとしたカフェがある。店名は「Workingholiday Connection」(以下、WhC)。2016年7月に一般社団法人日本ワーキング・ホリデー協会(池口洲理事長/以下、ワーホリ協会)がオープンした店で、それを株式会社Jスタイルズ(平渡淳一社長)に今年2月に運営を委託して今日に至っている。従業員は正社員4人、アルバイト15人でうち6人がワーホリで在日の外国人である(フランス、ドイツ、ポーランド、韓国)。

 同店は商業ビルの2階に位置し、55坪の広さに可動式の2人用テーブルを組み合わせてシンプルに60席が配置されており、土日祝日には若者やファミリーなどで大繁盛を呈している。同店では看板メニューともいえる「オリジナルパンケーキ」1200円(税別)が人気で、今年のゴールデンウイークの5月4日に235個の販売を記録した。

パンケーキが話題でアイドルも来店する
「オリジナルパンケーキ」は1日出数235個を記録
日本の若者やインバウンドでにぎわう原宿
若者、ファミリーでにぎわう店内

ワーキング・ホリデー制度の今

 ここでワーホリ協会がWhCをオープンした背景について説明をしておこう。

 まず、ワーキング・ホリデー制度(以下、ワーホリ制度)とは、「二つの国・地域間の取り決め等に基づいて、各々の国・地域が、相手国・地域の青少年に対して自国・地域の文化や一般的な生活様式を理解する機会を提供するため、自国・地域において一定期間の休暇を過ごす活動とその間の滞在費を補うための就労を相互に認める制度」である(外務省)。日本国籍を持つ18歳から30歳までの人が対象となる。日本の場合は、1980年にオーストラリアとの間で開始されことに始まり、1985年ニュージーランド、1986年カナダと続き、現在では世界21カ国との間で行われている。

ワーホリで就労する人を含めた従業員たち

 ワーキングホリデービザは観光、就学、就労ができる自由度の高いビザで、制度の趣旨として仕事を主たる目的にはできないが、「語学の勉強を現地でしたいが留学では高いから」と諦めていた人にとっては大変有効なビザといえるだろう。ワーホリビザの発給は年々増加し現在は1年間に2万人以上となっている。相手国の内訳は、オーストラリアが1万人と最も人気が高く、次いでカナダ6500人、ニュージーランド3000人と続く。このようにほとんどが英語圏である。

 そこでワーホリ協会は、日本人に海外にどんどん渡航してもらうための普及活動を行っている。しかしながら、ワーホリ制度があっても、海外に行くことに少し抵抗感を抱いている人がいる。そこで、説明会やカウンセリングを頻繁に行うようになった。さらに、ワーホリをテーマにしたカジュアルなカフェを営業すると、ワーホリに対する潜在的な希望者も溶け込めるのではないかと考えた。

ミーテイングを密に行いコミュニケーションを深める

 さらに、ワーホリのカフェでは提携国からやって来た外国人や海外でワーホリを経験した日本人が運営すると、日本に興味を抱いてワーホリでやって来た外国人に会うことができるし、日本人のワーホリ経験者である先輩たちに会うことができる。

 そして、ワーホリの対象となる年齢の人を呼び込むために、この年齢層が好んで食べる「パンケーキ」を看板商品に据えた。商品のストーリーもワーホリにちなんでいる。それはワーホリで最も人気の国であるオーストラリアのシドニーのパンケーキ有名店で料理長を経験した人物が帰国して開発した、リコッタチーズをふんだんに使用した「ふわふわ」「とろとろ」のパンケーキであるということだ。

 WhCの営業を続けるにつれてワーホリ協会がWhCをオープンするに際して組み立てた仕組みがうまく連動するようになり、前述した5月4日の記録的な数字をもたらしている。