5月のゴールデンウィーク(GW)の後半(5/3~5/6)はおおむね天候、気温とも恵まれた。大型連休期間中の商業施設をのぞいてみると明らかにお客の混み具合に差が生じていた気がする。時間をたっぷりかけてショッピングを楽しむ傾向が減少していく昨今で、来店を促すプロモーションがしっかりとできている店とそうでない店が、そのまま来店客の差となって表れている。ファッショントンレンドの同質化が指摘され、安価アピールの頻発、興味のない商品のまとめ買い、生活者の気持ちを引く施策を打っていかないとますますそっぽを向かれたままとなる。

*しまむら(既存店) 売上高 92.3%、客数 98.2%、客単価 96.4%

 5月のしまむらは、GWや母の日の販促を強化したものの、GW以降の寒波による大雨や低温により夏物の販売が伸び悩み、既存店の売上高は前年実績を下回った。1四半期累計の売上高は、株式会社しまむら(国内合計)で昨対99.5%となった。GWに向けて毎週のように300円、500円、700円、900円と低価格を打ち出しているものの、既存店不振は拭えていない。GW前半はキャクラターTシャツ、後半は接触冷感敷マット、清涼デニム、PBリネン混ブラウスの3割引。GW明けの母の日に向けてカーディガンやツインセットを訴求したものの、厳しい結果となった。品揃えバラエティの回復、店舗単位による品揃えのバランス調整、PBの上位ラインの開発等の施策によって既存店売上高の回復を図る構えのようだが、現状の低価格帯商品とプロパー価格商品との買上げ点数の分析、検証結果を慎重に見極める必要があるだろう。

*ライトオン(既存店) 売上高 98.1%、客数 97.1%、客単価 101.1%

 ライトオンは先月、3カ月振りに既存店売上高の前年実績クリアを果たしたが、今月はクリアできなかった。大きな要因としてはGW期間客数を伸ばせなかったことがあるようだ。GWに向けてNBジーンズ2本目半額、5000円以上買上げで1000円分の買物クーポンプレゼント、PBのSALA SALAシリーズの試着、購入した人にシャンプー&トリートメントセットのプレゼント。GW前半、後半戦に990円、1990円の価格訴求で打ち出したが、来店客のアップにつなげられなかったようだ。競合店分析を含め、生活者にヒットする強みを精査して集客が狙える品揃え、セールスプロモーションの組み直しが必要なのかも知れない。

アダストリア(既存店) 売上高 85.9%、客数 88.7%、客単価 96.9%

  先月に引き続き既存店前年比を割り込んだアダストリアは、1四半期の累計でも既存店売上高94.5%、客数96.4%、客単価96.2%と厳しい数字となった。5月は前年と比較して休日が1日少なかったことに加え、4月中旬に投入した夏物商品の売れ行きが伸びなかったとのこと。前年の冬シーズン処分セールの長期化による反省からか、春物処分商品は早々に店頭から消して挑んだ夏物商戦だけに、買上げ客数への回復には至らなかったのは残念。レディスでは新たにUVカット機能を加えたUSAコットンTシャツを8で展開、ヨーロピアンリネンとレーヨンを織り交ぜたフレアパンツベイカーデザインのパンツが好調。メンズではサッカージャンキーとのコラボレーション企画では、対象商品5000円以上のお買い上げでオリジナルハンドタオルのプレゼントを実施。いよいよW杯に向けて一味違ったサッカーデザインが楽しめる商品が受けたようだ。

ユナイテッドアローズ(既存店) 売上高 103.4%*1、客数 102.3%、客単価 100.1%

 今月も既存店売上高をクリアしたユナイテッドアローズは2月から4カ月連続。大型連休明けの気温低下で一時的に売上げが鈍ったものの中旬以降の気温の上昇とともに夏物の需要が活発化して好調な動きを見せた。前年同月と比べて休日が1日少なかった影響はマイナス1.6%程度と推測している。レディスでは股上の深いチノテーパードの9分丈パンツウォッシャブルリネンマキシ丈スカートはラップ仕立てでフレアボリュームがリラックスムードを盛り上げる。今年は大きめなブロックチェック等柄スカートの動きが良い、同素材でパンツも展開している。昨年はチャンピオンブランドで売れたビッグサイズのTシャツ型ワンピースは今年、NBでも展開。5分袖のシルエットバランスでパンツ合わせのレイヤード等、着まわしやすさも人気の理由。メンズではNIKEのビッグスウッシュロゴがインパクトなアノラックジャケットとして売れた。

良品計画(既存店) 売上高 103.6%*2 、客数 106.2%、客単価 96.5%

 14カ月連続で既存店売上高をクリアした無印良品の快進撃は続く。GW期間中は無印良品週間を4/20~5/7に開催(メンバー対象10%OFF)、GW明けてからは期間限定(5/18~6/7商品によって期間は異なる)値下げ、よりどりセールを実施。こうした営業施策も当たって客単価は落としたものの、買上げ客数でカバーした。商品動向としてはフレンチリネン素材のシャツ、ワンピースやオーガニックコットン半袖Tシャツ、涼感インナーシリーズの売上が好調だったものの、気温の寒暖差が大きく、衣服全体では売上げの伸びは限定的。生活雑貨ではスキンケア用品に新たに登場した「クリアケアシリーズ」の化粧水が人気。またタオル、スリッパなど重点戦略商品の売上げは堅調だったものの、グローバル共通で拡販をしたポリプロピレン収納が品薄となり売上げが伸び悩んだようだ。

ユニクロ(既存店) 売上高 97.3%、客数 93.1%、客単価 104.5%

 今年の1月以来、4カ月振りに既存店前年同月を割り込んだユニクロ。気温があまり上がらなかったため、夏物需要が弱まった。月初の連休キャンペーン、月末の感謝祭と販促は実施したが、気温の低さが響いた格好。今年はリゾートウエアのような水着デザインをGW前に品揃えした。水着トレンドとして話題の「キャミキニ」はキャミソールデザインのトップスとの組み合わせが新鮮。グループ会社の仏ランジェリーブランドのプリンセスタム・タム、クリストフ・ルメール率いるデザインベーシックのユニクロユー、トーマスマイヤーとユニクロの中でもエッジを意識して強化した。また、感謝祭の目玉の一つにドラえもんコラボをデザイナー村上隆のデザインを加えて今年は展開。昨年のKAWZ×スヌーピーコラボ以来、ぬいぐるみ(2990円、税別)も販売、お一人様2体限りと条件付きでも人気で完売した店舗も現れ、早速メルカリ辺りで5000~8000円で転売されていた。昨年のスヌーピーコラボとの対比がそのまま数字にも表れたのだろうか。いずれにしてもハイレベルな数字のアップダウンと推察する。