西から順番に梅雨入りし、6月6日、首都圏もいよいよシーズン突入となりそうだ。

 コンビニのビニール傘は予期せぬ雷雨のときが最大の販売チャンスとなり、駅前の店舗などでは、雷雨の間は1分に1本売れるくらいの猛烈な販売数になったりする。それでも、全国平均的にみると、年間で降水量が最も多くなる梅雨の時期がコンビニでの傘売上げの年間最大ピークとなる。

コンビニのビニール傘は年間6000万本も売れる

 

 日本国内の傘販売数は年間約1億3000本と世界一を誇るが、その中でコンビニのビニール傘は「使い捨てもいとわないという気持ちで買われる購買心理が珍しい商品の代表例」だ(日本人は絶対に雨にぬれたくないという気持ちが強い民族だともいえるだろう)。

 そのコンビニのビニール傘、業界関係者に話を聞くと、推計6000万本強は売れているといわれており、世界でも類をみない特殊な市場となっている。

 コンビニでは食べ物以外の日用品の売れ行きナンバーワンの商品となっており、日本人のおよそ2人に1人が1年間に1本、コンビニでビニール傘を買っている計算となる。昨年 筆者がTwitterを使ってアンケートしたところ、3人に1人が1年以内にビニール傘を買っているという結果も出た。

 この数値から天気予報の事前確認不足や持っていくのを忘れてしまうなどうっかりの人がいかに多いかが分かり、そうした人たちの緊急購買需要を支えているのがコンビニのビニール傘なのだ。

ゲリラ豪雨、ビジネスパーソン対応で大きくなってきた

 

 コンビニのビニール傘は25年前までは、親骨の長さが55cm 300円(税抜)がメインで販売されていたが、現在は壊れにくいなど品質もアップし60cm 500円(税抜)、65cm547円(税抜)の500円台の商品が売れ筋に。一番大きなサイズでは70cm 647円(税抜)と、かつてより15㎝も大きい商品も発売になっている。

 この70cm傘は昨今のゲリラ豪雨には最適だ。小さい傘だとぬれてしまう可能性が高いこと、パソコンやタブレットなど精密機器を持ち歩くビジネスパーソンからのニーズも高まったことから、コンビニ側が傘のサイズを大きくしていった歴史がある。

 また、ビニール傘は急場しのぎで買う人が約8割と、雨にぬれたくないニーズが購買動機となるため、商品を手に取ってから購買をやめる人が少ないのも特徴。そうした消費者真理を突き、品質アップにより商品単価を上げて売上げ・利益を確保していった側面もあり、デフレ環境下でも長期的に価格が上がっていった数少ない商品だった。

コンビニのビニール傘、昨年から初の値下げ局面に

 

 ところが、このコンビニのビニール傘、昨年(2017年)に入ってから初めて値下げ局面に入っている。

 実は、大都市圏ではコンビニのビニール傘の最大のライバルはタクシーの初乗り運賃となっている。首都圏ではタクシーの初乗り運賃が410円となり、初めてコンビニのビニール傘の値段を下回ったためだ。

 そんな中、ローソンストア100では 100円(税抜)のビニール傘が人気のようだ。大手コンビニでビニール傘を買うと想定すると5〜6本買えてしまう破壊的な価格で、こうした消費者心理をがっちりつかんでいるわけだが、この商品、親骨の長さが51.5cmだが、急場しのぎでぬれなければ十分という商品設計になっている。

 

 ビニール傘はほとんどが日本で使われているにもかかわらず、過去には台湾、今では中国の福建省 厦門・広東省深圳・浙江省上虞の3地区で多くが生産されているが、ローソンストア100のビニール傘は中国の人件費高騰もあり、ガンボジア製となっている。

 製造コストの中では人件費の影響が大きいため、これが今までの価格上昇の一因にもなっていたわけが、今後は東南アジアへの生産地シフトが進んでいくと思われる。今後はこの生産地変更で各コンビニがビニール傘をキラーコンテンツとしていくことは十分に考えられ、市場としては利益を取りながらの価格ダウンの局面に入っていくのかもしれない。

ファミマはスマホより軽い「超軽量折傘」を発売!

 

 そんな中、ファミリーマートが6月5日(火)から、スマホより軽い!?携帯に便利な「超軽量折傘」1389円(税抜、数量限定)を発売した。

 スマホの売れ筋 iPhone8 は148g 、iPhoneXは174gだが、この傘は重量が98g。長さも約22cmと梅雨時期の持ち運びの点でもかなり便利な傘ともなっている。

 

「超軽量折傘」はビニール傘とは違い、コンビニの圧倒的な店舗網を生かし、お客さまの最適プライスに合わせて開発されている。そのため、ネットでも、ドラックストアやディスカウントストア、100円ショップ、SPAの専門店など他の業態でも太刀打ちしづらい品質と価格を実現できている。

 コンビニの店舗網は、商品開発の肝となる商品ロット数(製造数)という一番の問題を解決する大きな武器になっている。日本の大手コンビニは、世界的にみても単品での販売数は群を抜いているのも強みだ。

 今後は各コンビニが他業態にも引けをとらない独自商品を多数開発してくれることを期待したい!