無印良品に続くか? 食マーケットへの参入者

 食のマーケットは、言うまでもなく生活者の志向やし好の変化により大きく変わろうとしている。有職女性や単身者、高齢者の増加で、簡便調理や即食需要の高まりはその顕著な例だ。

 

 無印良品では、初めてフードコートを導入することで、その需要に対応し取り込みを図った。商業施設で通常みられるテナントではなく、カレーやフォーといったオリジナルなメニューや店内で作るヨーグルトを提供。惣菜、弁当など売場の商品も食べることが可能で、屋台風の海鮮丼のブースも設けて賑わいを演出している。

「Café&Meal MUJI」(カフェアンドミールムジ)といったカフェを設けた店舗は展開していたが、飲食機能をさらに拡充することで時間消費対応を強化した。ネットでは体験できない飲食は、今のところリアル店舗のジョーカー的役割で、商業施設やGMS、専門店などでも拡充・導入が進んでいる。

 堺北花田でも白を基調に無垢の木を使ったシンプルな空間処理は無印良品らしさが出ているが、今後、メニュー開発や提供方法で新たな取り組みや、グロサリーとレストランを融合させた「グローサラント」も可能性があるだろう。

 既存のプレイヤーに無印良品が加わることで、どのような変化が生じていくか、極めて興味深く、これを契機に新たな参入者が出てくることを期待したい。例えば、ユニクロやニトリが手掛ければさらにマーケットが活性化し、興味も増すだろう。

 また、飲食スペースは顧客とのコミュニケーションの場としても機能する。どのような取り組みや展開がみられるかも注視していきたい。

「MUJISUPPORT」は需要開拓の“入り口”だ!

 

 こうして飲食機能を強化し時間消費を取り込む一方で、単にモノを売るだけではなくサービス機能も拡充し、新たな拠点「MUJISUPPORT」(ムジサポート)を設けた。部屋づくり、収納などの相談に乗り、家具の取り付け施工、サイズオーダーなどにも対応、住まいと暮らしをサポートする。

 このようなサービスは、ホームセンターをはじめイオンやニトリでも拡充に努めているが、無印良品ではポットの蓋だけの販売も行うなど、個々の顧客の事情に応じて、よりきめ細かい対応を行っている。

 サービス窓口を設置することで、顧客との相談の中で出てくるさらなる需要も取り込め、要望やニーズをくみ取ることも可能だ。無印良品ではリフォームも手掛けており、“入り口”としての役割も期待できる。

サービスを提供することで需要を喚起する

 これもモノを売るのに付随した便利なサービスを行うというスタンスではなく、サービスを提供することで需要を喚起するという観点に立てば、さらに可能性が拡大する。顧客との接点を広げる場所ともなり、住まいと暮らしに限定されず、必要とされている衣・食への取り組みにも広げていけるはずだ。

 無印良品でも、生鮮売場で各所にカウンターを設置し、カットや盛り付けなど個別なサービスに応じ、衣料品では刺繍工房を導入しカスタマイズニーズに対応する。

 サービス機能のメニューを拡充することで、潜在ニーズを取り込め、新たな需要喚起にもつながる。今後も潜在ニーズを掘り起こしながら、新手のメニューが登場してくるのは確実で、売上促進だけではなく、サービスの対価を得ることで売上増も図れる。

 こうした点が「これから店舗小売業はどうあるべきか、その方向性を指し示すヒントも隠されている」と考える理由だ。まだ、取り組みはスタートしたばかりだが、無印良品イオンモール堺北花田で新たに蒔かれたタネがどう実を結んでいくのか、極めて興味深い。

ぜひ、臨店してもらいたい!

 現場に全ての答えがあるわけではないが、店舗に実際に足を運んで自分の目で見て確かめる。感心する点、思ったほどでもない点などいろいろ感じることもあろうが、現場に行かなくては見えてこないものもある。ぜひ、店舗に行かれることをお勧めしたい。