“低価格=低収益”にあらず

 100円ショップで知られる株式会社セリアの意外な収益性の高さに驚く。

 2018年3月期の決算によると1506店舗、営業収益1591億円、営業利益164億円(営業利益率10.4%)。10%の営業利益率は、直営主体の店舗小売業としては、ファーストリテイリング(9.5%*2017年8月期)、良品計画(11.9%*2018年2月期)に匹敵する。自社開発または自社企画商品を主体にしている点も共通する。

 荒利益ともいえる売上総利益は686億円、率にして40%を弾く。売上総利益に対する営業利益の比率を示す利潤分配率も優良ラインとされる20%を超える23.9%となっている。

 100円ショップの世界は、4200億円、5050店舗(共に数字は2017年時点)のダイソーを断トツに、セリア、キャンドゥ(994店舗、688億円*2017年11月期)、ワッツ(1087店舗、474億円*2017年8月期)が続く。セリア含む以下3社は上場企業である。キャンドゥにしても営業利益率3%は小売業としては平均的。非上場のダイソーの収益性が不明であるが、セリアの高収益が際立つ。

 要因は2つ。まずインショップ重視の出店とスクラップ&ビルドによる店舗政策。インショップではショッピングセンターやスーパーマーケットなどのキーテナントの強力な集客力を見込んだサブテナント出店を行う。もちろんキーテナントの都合により出店環境が左右される点はあるが、前年では150店舗の新規出店の一方で64店舗の撤退を行うなど活発な出退店に同社の採算性優先の店舗政策が出ている。

 もう一つが97.6%という雑貨売上構成比の高さ。裏返すと価格競争の対象になり、低荒利になりやすい食品の扱いを減らすことで先述の売上総利益率を支えている。

キッチン用品の深い品揃えとコーディネート提案で女性客集める

トイレタリー関連もコーディネートできる品揃え。

 同社の売場ゾーニングはキッチン、洗濯、文具、園芸など用途別の構成になっている。特に店によってはキッチン関連の売場が3割前後を占め、弁当やオードブルに使うおかずカップ、紙皿・コップなどの消耗品から野菜調理用のピーラー、スライサー、食器、ポリ製保存用容器などの台所用実用品が細かく品揃えされており、女性客を引き付けている。 

 さらに同社のストアコンセプトである「Color the days」にあるように、トイレタリーでいえば、マット、シートカバー、蓋カバーなどが同じ素材、カラーで品揃えされている。サイズそろえ、質感などについて百貨店はもちろんホームファッションの専門店とも比較するまでもないが、増えつつある単身世帯、高齢の二人世帯にとっては気軽な付け替え、掛け替え需要の提案になっている。

「100円」という縛りの効いた価格政策の中で、シビアな出店、高荒利を維持する商品構成比、購買点数を増やすコーディネート提案などの合わせ技が同社の高収益の源となっているわけだ。