イオンスタイル品川シーサイドの「福島鮮魚便」コーナーは8尺ほどの売場で展開。ロゴなどの販促ツールは福島県漁連から提供された。
 

 福島県と福島県漁場協同組合連合会(JF福島漁連)、イオンリテールは2018年6月1日から19年2月28日までの9カ月間、東京都と埼玉県の「イオン」と「イオンスタイル」の5店舗で常設の「福島鮮魚便」コーナーを展開。

 この取り組みを広く告知するため初日の6月1日、「イオンスタイル品川シーサイド」(東京都品川区)で『ふくしまプライド。常磐もの 復活宣言イベント』を開催した。

イオンは福島支援にいち早く動いた!

 取り組みの背景には、2011年3月の東日本大震災による影響がある。

 宮城県の金華山沖から千葉県の銚子沖までの海域は世界3大漁場の1つだが、その真ん中にある福島県沖は黒潮と親潮が出合う潮目の恩恵を受けた豊かな漁場。カツオやヒラメ、マコガレイ、サンマ、ホッキ貝など約200種類の魚介類が水揚げされ、築地市場では「常磐もの」ブランドとして高い評価を得て、高値で取り引きされてきた。

 そこに東日本大震災が発生。原子力発電所事故の影響により福島県沖の沿岸漁業、底引き網漁業は操業自粛を余儀なくされた。福島県によるモニタリングの結果から安全が確認されている魚種があり、その魚種を対象に福島県の漁業再建に向けた基礎情報を得るため試験操業を行っている。販売される魚介類は福島県漁連が中心となって放射能の検査を実施。試験操業当初は3種から開始し、17年3月末には97種まで増加。18年5月現在では7種の指定魚介類を除いて、全てが試験操業の対象種となっている。ただ、漁獲量の推移を見ると、震災前の10年間の平均に対して17年は12.6%とまだ低い水準にある。

 そうした中、18年3月の消費者庁の『風評被害に関する消費者意識の実態調査(第11回)』では、福島県産食品の購入を「ためらう」と回答した人が12.7%(過去最低)。

 そこで、12年から小名浜で水揚げされたカツオの取り扱いを再開と、対応が早かったイオンリテールを含めた3者による取り組みが始まった。

福島県いわき市の小名浜港で揚がったサバを使った「鯖水煮」缶詰(198円、本体価格)を18年5月30日、イオンリテール東北カンパニーのイオン、イオンスイタルなどで販売。
福島県が誇るお米「天のつぶ」や、それを使った弁当、おにぎりなどを販売。スタート日は特設売場をつくって展開。

5店計で販売目標は3000万~4000万円

『ふくしまプライド。常磐もの 復活宣言イベント』には、福島県副知事の畠 利行氏、福島県漁業協同組合連合会代表理事会長の野﨑 哲氏、イオンリテール取締役執行役員副社長営業担当の井出武美氏、イオン東北代表の家坂有朋氏が参加(参加者のコメントの要旨は後記)。スペシャルゲストに国立大学法人東京海洋大学名誉博士のさかなクンを迎えた。

「福島鮮魚便」コーナーは「イオンスタイル品川シーサイド」の他、「イオン板橋店」(東京都板橋区)、「イオン東久留米店」(東京非久留米市)、「イオンむさし村山店」(東京都武蔵村山市)、「イオンスタイルレイクタウン」(埼玉県越谷市)の5店舗で展開。

 福島の漁港で午前8~午前11時までに水揚げされた魚介が、JF福島漁連からイオンの物流拠点に運ばれ、そこから各店舗に配送。イオンスタイル品川シーサイドには毎朝5時に入荷する。

 オープン日は常磐もの12種を8尺の対面売場で販売。イオングループのイオンデモンストレーションサービスが派遣する専門の販売員が常駐し、食べ方の提案や安全性・品質の説明と、試食を行いながら薦める。商品は丸で陳列して調理対応し、徐々に加工度を上げて、毎日売り切りを図る。寿司の加工設備を持っている東久留米店では夕方ににぎり寿司として提供する。

6月1日のスタート時は12魚種をそろえる。福島県産の平目1尾4298円(税込)、ほうぼう950円(同)などを売り込む。
イオングループのイオンデモンストレーションサービスが派遣する専門の販売員は、福島の魚介の知識や、水産物の安全管理の仕組みなどを事前に学び、接客に生かしている。

 漁のない日と時化の日の翌日は入荷はないが、冷凍したものや、水産加工品などを販売。期間中の5店舗合計の販売目標は3000万~4000万円。単純計算で1日1店舗、3万~4万円を売り上げる計画だ。

 なお、18年6月15日開業の「イオンスタイルいわき小名浜」では、小名浜港から水揚げされる魚介類を通年販売する。

小学生の頃から家族旅行で福島県の小名浜に通っていたというさかなクン。イラストレーターとしても知られており、福島の21種の魚介を描いたイラストを描いて、福島県に贈呈。