イートインは酒売場に、雑誌も縮小して日用品売場に

 今回の共同実験店舗では、お客さまの満足度を上げる実験をメインとしている。売場に、ドンキ流の大型菓子・大型珍味、ボードゲームなどの玩具、『日本一の売場』といわれる電子たばこのコーナーなどの要素が加わることで、今までファミリーマートが取り込みづらくなっていた若年層を取り戻すきっかけになりそうな予感がある商品ラインアップとなっている。

コンビニ雑誌の売場の未来形?
充実の電子たばこ売場。
パーティグッズコーナーは売れるのか?

 ファミリーマート立川南通り店は、JR立川駅から徒歩10分のオフィス立地にあるが、近隣に単身世帯を中心とするマンションも立ち並び、その外郭には住宅も控えている。店舗に駐車場も8台備えているため、コンビニやドン・キホーテが最も得意とする“深夜族”のお客取り込みの可能性が高く、改装でイートインスペース7席分を酒売場に変更したことも、深夜の家飲みニーズなどを取り込もうという意図が感じられる。

 

 今回の改装では雑誌ゴンドラを撤去し、女性をターゲットとした日用品の売場に変更(コンビニ業界では雑誌売上げが10年前の7割減になっている)。この店舗にある雑誌はスマホなどの読み放題サービスに入っていない、少年漫画誌 6誌のみの展開となっている(今後、コンビニ業界の売場づくりや効率の考え方に大きな影響を与えそうな展開となっている)。

 品揃えと仕入れについてはファミリーマートとドン・キホーテの商品に分けて、それぞれの商流と物流を活用。ファミリーマートの売れ筋商品は基本品揃えとなっているが、お客さまからすると、ドン・キホーテの仕入れなら価格が安くなるのにと思ってしまう商品もいくつかあったりする。

 また、逆にファミリーマートに価格優位性のあるPB「ファミリーマートコレクション」のお菓子の品揃えが少なかったり、ファミリーマート限定商品のTBCのフェイシャルシートやボディシート、伊藤忠商事と共同開発した「ワンデーパンツ」などファミリーマート の圧倒的な店舗数を生かして開発された限定商品の展開が無かったりと、これからの改善の余地を残した展開ともなっている。

未来のコンビニは売場がミニショッピングモール化?

 同日オープンしたファミリーマート大鳥神社前店は住宅街とオフィス街が混在した立地にあり、棚の高さも2m10cmと立川南通り店のものよりもさらに高く、住宅街を意識して洗剤などの日用品の品揃えを充実、ダンボールカット陳列などの実験を行っているという。

改装でイートインスペース7席分を酒売場に変更。深夜の家飲みニーズなどを取り込もうという意図が感じられる。

 オペレーション・品揃えなど課題をあぶり出し、この2店舗の実験を踏まえて 6月末には、PRODUCED BY ドン・キホーテの3号店の二子玉川駅近くの高級住宅街立地にファミリーマート世田谷鎌田三丁目店(東京都世田谷区)としてオープンする。

 実験店舗のため、随時売場の変更もなされながらの進化が予想され、フランチャイズでの展開への布石が打たれていくと思われる。

 今後はファミリーマートの店舗で無印良品とドン・キホーテの商品が共存したりしそうで、その延長線上には大手コンビニにユニクロなどSPA小売業の商品が並ぶなどということも見えてきそう。未来のコンビニは売場がミニショッピングモール化するという未来系があるのかもしれない。

 今回の小売りの強者同士の実験は大きな可能性を秘めており、この共同実験店頭からは目を離せない状況となっている。