ファミリーマートの店舗では、1980年に一部取り扱いを始めた無印良品の商品を現在まで取り扱っている。これはかつて、ファミリーマートと良品計画が同じ西友の一事業だったことが関係しているわけだが、お客さまには、無印良品の棚はショップインショップのように見えているのではないのだろうか?

 こうした自由な発想があるからなのだろう。ファミリーマートにはTSUTAYAや吉野家、小型スーパーマーケット(SM)やドラッグストア、書店にスポーツジムなどさまざまな一体型店舗があり、コインランドリーとの併設店もあるが、今回はそれらとは少し異なる。

 2018年6月1日に開店した立川南通り店(東京都立川市)と大鳥神社前店(東京都目黒区)はドン・キホーテの品揃えや売場づくり、運営手法を取り入れた店舗。ユニー・ファミリーマートホールディングス(HD)とドンキホーテHDは2017年に資本・業務提携をしており、両グループのノウハウを生かした共同実験を行おうというのだ。

 ユニー・ファミリーマートHDでは既にGMSのユニーでドン・キホーテとの複合店を6店舗オープンさせており、それらの売上げ前年比は220%、客数前年比は190%(旧GMSとの3、4月比較)とかなりの高実績を挙げている。

 そんな中、提携の本丸となるのか? オフィス街にある「ファミリーマート立川南通り店」をオープン日にのぞいてみた。

安い! 品揃え全体の56%がドン・キホーテの商品

 

 この店舗の店頭看板には通常のファミリーマート店舗にはない「PRODUCED BY ドン・キホーテ」の文字がある。ファミリーマートの直営店にドンキ流を導入した店舗になっているのだ。

 売場に入って気が付くのが中島ゴンドラの高さ。通常より20cm高い170cmのゴンドラはコンビニとして見ると違和感があるが、品揃えが充実しているのはお客から見るとうれしいのではないだろうか。というのは、この店舗の売場は「売れ筋を効率的な買えるコンビニの考え方に買物の楽しさをプラスした売場」となっているからだ。

通常のコンビニより20㎝高い棚。
レジ前のドンキ流圧縮陳列。


 品揃え全体の56%を占めるドン・キホーテの商品の中には、PB「情熱価格」で安さを追求した商品もあり、メーカー希望小売価格での販売をするコンビニの中では異彩を放つ存在。特に、レジ前に並んでいた「キレートレモン」50円などはドン・キホーテの驚安プライスに近い価格で、ついで買いをしてしまうというお客さまもいることだろう。

レジ前では衝動買いを誘う取り組みも。
キレートレモンの50円には驚愕。


 店前(外側)ではかご車を利用した商品販売をしているが、これはファミリーマートとminiピアゴの共同店舗や、まいばすけっとなどのミニスーパーでも見られるが、店内誘引にどんな効果があるのかも興味深いところだ。

店頭販売の可能性は?
かご車販売は店内誘引につながるか?

 というのは、コンビニはフランチャイズで利益を本部と加盟店オーナーが分配する仕組み。そのため、商品の安売りはオーナー収益を考えると、薄利多売が必要となり、諸刃の剣ともなるからだ。

 しかし、近隣にドラックストアやミニスーパーが出店し、Amazonではプライム会員になると飲料や加工食品などのNB商品が安く買える環境にあることを考えると、コンビニでも価格戦略をもう一度見直す時期なのかもしれない。