これから暑い夏とともに増えるのが野外の音楽フェスティバルやライブなど。ライブ・エンターテイメント市場も活況を帯びているようで、首都圏を中心に改修に伴う閉鎖や老朽化による解体も相次いでライブ会場が不足するような事態まで生じてしまっている。

 肝心の音楽ソフト産業の方はというと「音楽ソフト」と「有料音楽配信」の2017年の市場規模は、2893億円と前年比で4%ダウン。ピークだった「音楽ソフト」のみの時代(1998年)の6075億円(ともに日本レコード協会発表日本レコード産業2018)と比べて、実に半減以上の落ち込み。ただし「有料音楽配信」のみに限ってみると573億円と前年比8%も伸ばしている。従来の楽曲のダウンロードに加え、サブスクリプション( ソフトウェアを買い取るのではなく、ソフトを借りて利用した期間に応じて料金を支払う方式)も大幅に増えて、生活者と音楽の付き合い方そのものが大きく変わってきている。

 このように生活者と音楽との付き合い方も変わるように、若者のライブの楽しみ方にも変化が見られる。今回は「ライブキッズ」と呼ばれる若者たちの生態とファッションに関して紹介してみたい。

「バンT+バスパン」か「バンT+ディッキ」でラババン

「ライブキッズ」と呼ばれる若者たちを知っているだろうか?

 

「ライブキッズ」とはロックバンドのライブ常連の若者たちのことで、バンT+バスパン(バンドT+バスケットボール用ショーツ) or バンT+ディッキ(ワークウエアブランド;ディッキーズのカラーショーツ)といったいでたちが代表的。そして腕に注目するとラババン(ラバーバンド)をつけている。このラババンも自分の推しバンドやフェスのグッズだ。普段はラババンやお気に入りのアクキー(アクリル・キーホルダー)を、カバンにつけているライブキッズが多いようだ。

 男女問わずカラフルなディッキーズショーツをはいていることで「ディッキ族」といった別称もあるようで、ライブ会場ではみんなで同じツーステ(ツーステップ)を踏んで盛り上がる。このツーステは基本的に2つのリズムでステップを踏むのだが、ジャンルによってさまざまなツーステも存在する。

 盛り上がり方にはこのツーステ以外では「モッシュ」(ジャンプしたり他人を押したりする激しいおしくら・まんじゅう状態)、「ダイブ」(観客に向かって飛び込んだり、そのまま人の上をゴロゴロ転がるような状態)を繰り出しながら「ウェイウェイ」って叫んだり、激しくノルのも特徴。その激しいパフォーマンスが故に賛否両論があるようで「公序良俗やルールを破る音楽ファン」といった意味合いで語られることもあるようだ。

 しかし、この動きやすさを優先させて生まれたライブキッズ・ファッションは、シーズンを通したスタイリングで、もはやライブのための戦闘服に近いくらいの感覚なのだろうか。新しく生まれたサブカルチャー発信の若者ファッションとして、この夏、注目してみては。