おにぎりは、日本のコンビニだけでも1年間に推計60億個売れている国民食である。

 全人口で試算すると国民一人当たりでは年間約48個。月に換算すると約4個のコンビニおにぎりを食べていることになる。

 実はコンビニのおにぎり。コンビニも客層変化により、品揃えが大きく変化している。

 10年前のコンビニは顧客の7割が男性、3割が女性と「圧倒的に男性の店」だったが、直近では大手コンビニを中心に人口構成に近い5割弱の来店客が女性で、50歳以上の構成比が40%超。女性とシニア向けの健康志向の強いおにぎりの品揃えが増えていっている。

セブンは五穀米、ファミマはスーパー大麦

 

 セブン‐イレブンは主に女性をターゲットとした商品として、五穀米を使用したおにぎりを販売している。

 これは家庭では手間がかかってなかなか作るのが難しい五穀米を使った商品。おにぎりを一つ食べるだけで、レタス1個分の食物繊維4.0gがとれる(※レタス可食部215gを約1個分)という分かりやすいコンセプトをパッケージに提示していることも、販売好調の理由となっている。

 

 一方、ファミリーマートでは、通常の大麦の2倍の食物繊維がとれる話題のスーパー大麦「バーリーマックス」を使用したおにぎりが人気だ。

 このスーパー大麦「バーリーマックス」は、オーストラリア政府が開発した大麦で、帝人が食品原料の軸として扱っており、販売の窓口は伊藤忠グループ。親会社の商社の力を最大限に活用した商品開発となっている。

 コンビニのおにぎりを製造する機械は、ほとんどが不二精機のものを使用しているため、根本的な差別化は図りづらいため、使用する原材料の仕入れが大変重要になってくるのだ。

ローソンは「ご当地もん」に力を入れる

 

 ローソンは、「ご当地もんにぎり」に力を入れている。1997年にいち早く全都道府県に出店し、その当時から全国8地区にエリア商品部を配し、大手コンビニのどこよりもエリア商材に力を入れていた関係で、エリア商材を使った商品開発は“おはこ”となっている。

「ご当地もんにぎり だし巻玉子」は京都・大阪編の商品で、エリアの味付けにこだわり、カツオは静岡県焼津産、昆布は北海道利尻産と全国のおいしさを選りすぐり集めた逸品となっている。

 

 また、この商品はコンビニおにぎりの主流となりつつある、具がご飯に包まれている従来のおにぎりではなく、ハワイのスパムおにぎりから始まったといわれる具がご飯の上に乗っている具乗せおにぎりとなっている。

 ローソンストア100では、たこ焼き お好み焼き 唐揚げなどの具乗せおにぎりシリーズを税抜き100円で販売して人気を博しているが、今、大手コンビニでは具乗せシリーズが定番化していっている。

 コンビニのおにぎりは、各社が原材料にこだわった商品開発を競い合うことで、どんどんレベルがアップ。スーパーマーケットやドラックストアなどで販売されているおにぎりと商品のクオリティに差が付いているのは、こうした理由がある。