調子が良くなってくると、『もう大叩きはしないぞ』と心の中で叫ぶのですが、また大叩きして挫折感を味わう。この繰り返しがゴルフ。ゴルフは本当に難しいと思います。そこはコンサルタント、悔しいので自分のゴルフの事実を「見える化」することで、その原因解明に挑戦してみました。

 事実の見える化は記録から始まります。自分のスコアカードに良いショット、悪いショット、特徴的に起きたこと、そのときの気持ち等を詳細に記録してみました。20枚ほどたまったところで原因分析です。ナイスショットが続かないとき、いったい何が起きているのかを棚卸ししました。実はこれ、池田勇太プロもやっています。

 この記録を取り始めて、7枚目くらいから、良いスコアが続く確率が上がり始めました。事実をしっかり認識すること、原因の仮説を持ち始めることで効果が出てくることが分かりました。企業経営と一緒だ。事実の「見える化」の段階で改善は始まるのです。

良いショットが続かない理由を今回3つ発見!

 分けて考えた結果、良いショットが続かない事実は3つのパターンに分かれていることに気が付きました。データがまだ少ないので仮説ですが、その原因と対策を分析してみました。

①前のホールの良いパット・アプローチが次のティーショットに悪影響を与える

 芯をくったパットが良い回転を生み3mをナイスパー、15ヤードのアプローチを10センチにつけOKパー等、日に一回起きるかどうかの完璧なショットをしたホール直後のティーショットでタイミングが合わず、引っ掛けるミスをしているのです。

 そもそも、パット、短いアプローチではフェイス面を維持するため手首を使いません。そのショットが完璧なものだった場合は、身体がその余韻をしっかり記憶しているはずです。一方、ティーショットはほぼフルショットですから、手首の返しが発生します。そこで、手首を返さない良いパット・アプローチの余韻が、手首を返すべきティーショットに悪影響を与え、タイミングのズレを発生させたという原因仮説が出てきました。

 対策としては前のホールで完璧なパット・アプローチが出たとき、ティーショットする前にその余韻をリセットすることだと考えました。

 そこで、思い出したのが片山晋呉プロ。彼はティーグランドでよく左素振りをしています。そうか、余韻のリセットは左素振りだ。片山プロの目的は体のバランスを整えることであるとは思いますが、体のリセットにも有効なのです。

②待ち時間がスイングのリズムを崩している

 ティーショット、セカンドショットで前の組に追い着いてしまい、待ち時間があるときリズムを崩し、ミスショットが発生していました。しかし、面白いことに自分が2サムのときは待ち時間があってもミスは発生していないのです。

 そうか、自分が2サムのときはプレー時間が短くなるのは当り前、前の組に追い着いても当り前、初めから待つことに対する『受け入れる気持ち』が醸成されています。

 一方、前の組のプレーが遅くて追い着いてしまうと、まず不満が出てきてしまいます。リズムを崩す大きな原因はこの『受け入れる気持ち』の有無であることに気が付きました。短気は損気なのです。

 そこで、『受け入れる気持ち』を強く意識し、「待つ時間があるのがゴルフ」「追い着いてしまうのはわれわれが調子良いからだ」「ストレッチする時間ができた」「美しい花、樹木を探すことができる」等ポジティブなことを考えるようにしたのです。

 とりわけ『待つ時間があるのがゴルフ』ということを再認識したことは大きかったと思っています。心のどこかに『待つ』を楽しみに変換できる余裕ができたのでしょう。ゴルフは全てを受け入れるスポーツです。ゴルフはその人の人格が出るという格言を改めて噛みしめています。

③良いスコアを継続したいという守りの気持ちがいたずらする

 良いスコアが続くとそれを続けたいと思うのは当然のことです。そこで、『大事にいこう。丁寧にスイングしよう』という守りの気持ちが生まれます。前回のゴルフで好スコアだったから『今日最初のティーショットを丁寧に』、前半ハーフは好スコアだったから『後半スタートを丁寧に』という気持ちです。そこで起きるのが、腰の横回転が止まっての引っ掛けやトップでした。

『丁寧=ゆっくり、丁寧=力まない』の意思が、いつのまにか「体はゆっくり=中途半端、力まない­=腰を動かさない」と誤変換し、誤作動を起こしてしまうのです。

 丁寧にという気持ちを持った瞬間、下半身に意識を持っていき、切り返し時の腰のスライドやその後の横回転を強く意識した思い切りのよい素振りを行うことが解決策となりました。

分かっているという思い込みが怖い

 自分のゴルフを18ホール分しっかり記録すると、どんなクラブで、どんな場所で、どんな状況で何が起きたか具体的に自覚します。事実を突き付けられると『自分は分かっている』『自分はできている』という思い込みに陥っている自分に気が付き始めます。実は自分のことを全く分かっていないのです。

 企業の現場も一緒ですね。『分かっているという思い込み』が一番怖いです。