世界ワーストレベルから国を挙げて糖尿病と戦う

 近年、シンガポールでは糖尿病患者が増加。

 リー・シェンロン首相は、2017年の方針演説において糖尿病対策を重大施策の一つとして「過食の抑制や糖質含有量の多い飲食物の摂取制限」の必要性を説きました。

 シンガポール保健省は、国民に占める糖尿病患者の比率が約11%(44万人、2014年時点)、そのうち60歳以上の患者比率では約30%に上り、この比率は世界的に見てもワースト1位の米国に次ぐものと発表しています。

 特に若年性、子供の糖尿病が社会問題となっていました。そこで2015年からシンガポールは国を挙げて糖尿病と戦うと宣言。実に成果を上げています。

3食外食当たり前! ホーカーズは庶民の生命線

 

 1960年代から、シンガポールでは都市化政策で、ホーカーと呼ばれた街の屋台を収容する「ホーカーズセンター」をオープン。一日中、リーズナブルに食事を楽しめる庶民の味方です。シンガポールは物価が高く、共働き家庭が多い国。朝、昼、夜と、ホーカーズ(屋台街)で3食済ませることも多いのです。

 ホーカーズのローカルフードは当初野菜が少なく、塩分も脂質も多め。そして飲料は糖度の高いものが広く受け入れられており、砂糖の入った緑茶や Kopi(コピ)と呼ばれるコーヒーに練乳を混ぜたものが至る所で売られています。

ホーカーセンターでも「玄米」を選択できる

 リー首相は 国政方針演説で、糖尿病予防のために白米の代わりに玄米や雑穀米を摂取するよう自ら国民に呼び掛けました。

 その結果、近年、多くの人は食品や飲料を購入する際に成分ラベルをチェックし、塩分、糖分、脂質を回避する一方、低脂肪、無糖、高食物繊維など健康に良い製品を好む傾向に。

 健康推進庁(HPB)によると、シンガポールでは、ヘルシアー・チョイス・シンボル商品(政府の認めた健康に良い食品)の売上高は年率 9%増加しており、消費者の健康意識の高まりは顕著とのこと。

 また、健康食品とオーガニック食品の売上げは、2016 年は前年比 3%と4%とそれぞれ 増加。飲料についても無糖飲料を消費者が好む傾向に。政府は消費者の砂糖摂取を抑えるべく、2017 年、飲料メーカーに対しても砂糖を減らすよう要請。2018年5月から公共機関、学校などで砂糖飲料の販売を禁止する徹底ぶりです。

 外食業界でも、健康的な選択肢が好まれるようになり、サラダや玄米などの需要が高まっていて、ローカルフードのチキンライスやナシレマでも玄米をチョイスできるようになってきています。

日本が学ぶべき「外食で健康改善を図るモデル」

 シンガポール国民にとって外食は切っても切れないもの。今回の政府の施策は外食を抑制するのではなく、外食自体のメニューを健康的に改革するものでした。

 日本でもこれからは共働き、単身世帯が増え、手軽な外食や内食の需要は高まるでしょう。これからは「外食・内食=手抜き」と罪悪感を覚える時代ではありません。むしろ、日常使いすることを前提に、食べ方も工夫すれば、肥満につながる「ビッグディナー」もなくなります。

 特に、日本のファミレスはとても健康的。

 そこで、健康になる「平日の夕食こそファミレス」活用をお勧めします。