ジャパンショッピングツーリズム協会専務理事 事務局長 USPジャパン代表取締役 新津 研一さん(左)、トリップアドバイザー株式会社代表取締役 牧野 友衛さん。

 2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて盛り上げるのではとの期待が高いインバウンドビジネス。今回は訪日ゲストの動向に詳しい2人のキーマンに、インバウンドに関する10の質問をぶつけた。前半の第1回は訪日ゲストの最新の傾向、日本に求めるものについての6問を聞いた。

 質問①「2020年に向けて、どう盛り上げていけばよいのでしょうか?」

 新津:オリンピック開催の年は、過去どの開催地も決して観光客は増えず、かえって減っています。ロンドンでもそうだったけど、オリンピックの年に観光客がドンと落ちて、そこからまた増えていく。それは当たり前のことなのですが、日本ではどうしても「オリンピックに向けて」という期待を込めた言い方がされる。オリンピックがインバウンドに興味を持つきっかけにはなりますが、決してゴールでも、頂点でもないのです。

 20年に向けての期待というと、一つはさまざまなきっかけになること。もう一つは、世界中のメディアが取材してくれるので、いいプロモーションの機会であることは間違いないということです。それまでに、自分たちが発信すべき日本の魅力を見つめ直すことが重要だと思います。

 牧野:むしろ、オリンピックに訪れる世界で影響力ある人たちに日本を知ってもらい、帰国後にそれぞれの国で日本の良さを伝えてもらうことが、重要な取り組みだと思います。メディアやそうした影響力のある人たちを通じて日本のことを知ってもらえるので、2020年というよりもオリンピック後の方がインバウンドの効果が大きいような気がします。

 新津:その時に、日本で紹介できるものが意外に少ないということになってはいけない。世界各国の著名人が日本に来て、オリンピックだけを取材するわけではないでしょうから。

 牧野:旅行に行くきっかけの一つとして、自分の知り合いや知人から勧められたということもかなりあるはずです。世界の国々でも同じことで、日本は良かったよと言ってもらえることが期待できます。アメリカ人の場合も、旅行に行くきっかけで一番多いのが、知り合いからの情報ですから。