一般社団法人日本フードサービス協会では、5月16日に開催した平成30年度定時総会及び理事会において、新会長に高岡慎一郎氏(株式会社人形町今半代表取締役社長)が選出されたと発表した。また、副会長として新任3人が選出された。新体制の会長・副会長は以下の通り。

会長(新任)高岡慎一郎

副会長(再任)小林均(㈱小嶋屋 代表取締役社長)/同(再任)粟田貴也(㈱トリドールホールディングス 代表取締役社長)/同(再任)惠谷龍二(㈱ケイコーポレーション 代表取締役社長)/同(再任)肥田木康正(康正産業㈱ 代表取締役)/同(再任)近藤正樹(日本KFCホールディングス㈱ 代表取締役社長)/同(再任)赤塚保正(㈱柿安本店 代表取締役社長)/同(新任)根岸榮治(㈱ねぎしフードサービス 代表取締役社長)/同(新任)宮下雅光(㈱ストロベリーコーンズ 代表取締役社長)/同(新任)岡本晴彦(㈱クリエイト・レストランツ・ホールディングス 代表取締役社長)

新年号の時代を支える観光業と外食産業

 新会長就任に際して、高岡氏は以下のように語った。

『昭和の時代、日本の景気は製造業に支えられていました。平成の時代は、金融関係によって支えられていたように思います。その平成も、来年の5月に終わり、新たな年号が始まります。2020年の東京オリンピック・パラリンピックの誘致を成功させた日本を支えている大切な産業は観光産業です。しかも、年間2800万人を超えたインバウンドのお客さまにより、観光産業は外貨を稼ぐ産業として重要な役割を担っております。その一翼を担っているのが外食産業です。この産業の生産性が向上しなければ日本経済全体の底上げは困難であると言っても過言ではないと思っております。

 外食産業は市場規模約25兆円。従業員数480万人と、地域経済と雇用を支える大変重要な役割を担っております。まさに来年6月から始まる新年号の時代は、外食産業の成長で日本を支えるものと私は信じております。しかし、少子高齢化、人口減少の社会に突入している中で、われわれ外食産業は人不足とともにお客さまの減少が大きな課題となっています。こうした中、外食産業は生産性向上とともに、働き方改革という大きなテーマに本気で取り組まなければなりません。

 日本フードサービス協会は、このような課題に取り組むために、「生産性向上委員会」を設立し、議論を重ね、本日の総会で報告書をまとめさせていただきました。業種業態の規模の大小に関係なく、日々懸命な努力を行い、生産性向上に取り組んでまいりました。

 しかし、生産性向上を追究し過ぎますと外食産業らしさがなくなってしまいます。皆さまが新たにお店をつくるとき、内装に気を遣い、接客レベルを向上させるために従業員を教育することに大変な苦労をしています。それは、レストランにご来店されるお客さまは、単にお腹が空いたからということだけでご来店されているのではない、ということを皆さまがよくご存じだからです。

 もし、お腹が空いたから食事をするという日常になりますと、人間に与えられた素敵な食文化を否定することになります。お客さまがレストランにご来店されるのは、その店に期待していることを体験したいからです。そして、同じお客さまがファーストフード店にもご来店されますし、ディナー型レストランにもご来店されます。われわれはそのようなお客さまからのご期待を、ちょっとだけでも上回ろうと努力しております。そして、それがうまく行ったときにお客さまより「ありがとう」と言っていただきます。

 しかし、このレストランを支える人が足りません。わが国の労働市場は全般的にひっ迫しており、その中でも労働集約型の外食産業は人不足が顕著になっております。こうしたことから働き方改革、外国人雇用に取り組まなければ業界全体が衰退してしまいます。

 また、人口減少に伴うお客さまの減少を克服するために、海外への進出を活性化する必要があり、逆に海外のお客さまを日本のお店に招くことに努力しています。まさに多様性のある産業であるからこそ、あらゆる手段で成長してまいります。

 ひと昔前、外食のシーンは特別なシーンでありました。しかし、核家族化、夫婦共稼ぎが当たり前になった今、多様な業態が生まれ、外食産業は国民生活を豊かにするために大変重要な産業となっています。

 われわれの産業はお客さま第一を実現するために、社員第一主義の経営手法で成功して参りました。労働環境を整備し、社員を育て、社員の一人一人がワクワクしながら働くことができる環境が整ったときに、お客さまに心のこもったサービス、ホスピタリティが提供できで、社会を明るくすることができるのです。まさに素敵な産業です。「食を通じて人を幸せにする」という外食産業の社会的使命を実践するためにも、改めて喜び、希望、夢、感動をつくり上げてまいります。

 外食産業には年商1兆円を超える企業は存在しません。一つ一つが小さな組織です。しかし、その一つ一つがお客さまを照らし、地域を照らし、働く社員を照らし、そしてこの日本フードサービス協会を通じてその力を集結すれば、日本全国を照らすことができる素晴らしい産業です。是非この産業を活性化させるために頑張ってまいります。』