FC契約では、商品の仕入れに関する拘束(商品の指定、原材料の指定、仕入先・取引先の指定など)が設けられていることがあります。

 本部としては、ブランドの統一的なイメージや水準を確保するため、加盟店の営業に介入する必要があり、商品の仕入れに関する拘束は、そのような介入の一つといえます。

独占禁止法とFCガイドラインによる歯止め

 私法上はどのような内容の契約も自由に定められるという原則があるため、仕入先・取引先を本部や特定の業者に指定することも原則として有効です。

 しかし、加盟店は本部とは独立した事業者である以上、その営業の自由も尊重されなければなりません。

 そこで、独占禁止法が本部による拘束に一定の歯止めを設けています。

 特にFC契約と独占禁止法との関係については、「フランチャイズ・システムに関する独占禁止法上の考え方について」(FCガイドライン)が定められています。

 同ガイドラインでは、FC契約又は本部の行為が、フランチャイズ・システムによる営業を的確に実施する限度を超え、加盟者に対して正常な商慣習に照らして不当に不利益を与える場合には、優越的地位の濫用(独占禁止法2条9項5号)に、加盟店を不当に拘束するものである場合には、抱き合わせ販売等(一般指定10項)や拘束条件付取引(一般指定12項)などに該当することがあることとされています。

優越的地位の濫用となるのはどのような場合か

 優越的地位の濫用(独占禁止法2条9項5号)は、平たく言えば「本部に搾取される加盟店が気の毒である」という観点から、本部の行為を規制するものです。

 FCガイドラインにおいては、「本部が加盟店に対して、商品、原材料等の注文先や加盟店の店舗の清掃、内外装工事等の依頼先について、正当な理由がないのに、本部又は本部の指定する事業者とのみ取引させることにより、良質廉価で商品又は役務を提供する他の事業者と取引させないようにする」行為は、優越的地位の濫用に該当することとされています(FCガイドライン3⑴ア)。

 そうすると、商品の仕入れに関する拘束が優越的地位の濫用となるか否かは、その拘束について、①「正当な理由」があるかどうか、②正当な理由があるとして、「フランチャイズ・システムによる営業を的確に実施する限度」を超えていないかどうかがポイントになるといえます。

 例えば、①「正当な理由」との関係では、一括大量購入によるボリューム・ディスカウント、安定した供給ルートの確保、品質やトレーサビリティの維持といった事情は、正当な理由を裏付ける根拠となるでしょう。

 また、②「フランチャイズ・システムによる営業を的確に実施する限度」を超えていないかどうかとの関係では、本部や指定業者の販売価格が適正であるかどうか、指定業者からの購入を「義務」とするのではなく「推奨」や「推薦」にとどめる余地がないか、例外的に指定業者以外との取引を認める余地がないかどうかといった事情を検討することになります。

抱き合わせ販売等・拘束条件付取引となるのはどのような場合か

 抱き合わせ販売等(一般指定10項)・拘束条件付取引(一般指定12項)については、「加盟店が気の毒だから」という観点からの規制ではなく、もう少し視野を広げて、店舗間の競争が停止したり、加盟店との取引を望む事業者が排除されたりすることを問題視して規制がなされるものです。

 このうち、抱き合わせ販売等にあたるかどうかについては、「行為者の地位、行為の範囲、相手方の数・規模、拘束の程度等」を総合勘案して判断されます(FCガイドライン3⑵)。

 また、拘束条件付取引にあたるかどうかについては、「行為者の地位、拘束の相手方の事業者間の競争に及ぼす効果、指定先の事業者間の競争に及ぼす効果等」を総合勘案して判断されます(FCガイドライン3⑵)。

加盟店はどのように争うべきか?

 独占禁止法に関する案件は、公正取引委員会が取り扱っているため、公正取引委員会に報告(独占禁止法45条1項)して、その対応を待つということも考えられますが、より積極的に、加盟店自らが主体となって、差止請求(独占禁止法24条)を行ったり、不法行為にもとづく損害賠償請求(民法709条)を行ったりして、独占禁止法違反を主張することも考えられます。

本部による拘束に限界があることを意識する

 FC契約においては、本部と加盟店との間に事実上の上下関係が生じることが多いものの、加盟店はあくまでも独立の事業者であって、営業の自由があります。

 仕入先・取引先の指定に限った話ではありませんが、本部にしても、加盟店にしても、本部の加盟店に対する拘束を当然のことであるなどと考えず、限界があるということを意識しておくべきでしょう。