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 4月18日、消費者庁は栄養成分表示に関するリーフレットを公開しました。

 その内容は「正しく理解していますか?小規模事業者が製造する食品であっても、小規模でない事業者が販売するものは『栄養成分表示を省略できません』」というものです。

「小規模事業者が製造したものであれば、栄養成分表示をしなくても大規模の小売店で販売できる」という誤解が多いので、あえてリーフレットという形で分かりやすく告知したようです。

小規模事業者ではないスーパーマーケットなどは要注意!

 栄養成分表示を省略できる食品は、図表①の通り「小規模事業者が製造したもの」ではなく、「小規模事業者が販売するもの」です。つまり、小規模事業者が製造したものを、スーパーマーケット(SM)等のように「小規模事業者でないものが販売する場合は、栄養成分表示を省略することできない」ということです。

 

 小売店業界では最近、「地元の商品をできるだけ地元の店で販売しよう」「個々の店舗でそれぞれ特徴ある品揃えをしよう」という傾向が強くなっています。

 大手チェーンストアでも「全国どこの店でも同じ商品がそろう」ではなく、できるだけ「地方色を出そう」「その店でしかないものを置こう」としています。地元の事業者が作った食品を販売している店も多く、本部仕入れではなく各店の独自仕入れ商品になると、どんな事業者のどんな商品が販売されているか本部が把握していないこともあります。

 しかし、容器包装された仕入れ商品は全て栄養成分表示がないと2020年4月1日以降は販売することはできません。

「小売店側が栄養成分だけ表示責任を負う」も非現実的

 では、販売するために栄養成分表示をするとなると、いったい誰がするのでしょう。小規模事業者が責任を持って栄養成分表示ができるでしょうか。今まで何度も説明してきたように、栄養成分表示をすることは簡単ではありません。

 道の駅などに地元の農家の人が作った弁当や惣菜、菓子類などが並んでいますが、そうした商品を作っている人たちが栄養成分を表示できるでしょうか。幕の内弁当、煮物、おやき……、扱っている商品はかなりの種類・数量になります。

 一般のSMでも、小規模事業者の商品をかなり扱っているはずです。その商品の取り扱いを中止すれば売上げに響くでしょう。かといって、小規模事業者に変わって小売店が栄養成分表示をすることはできるでしょうか。

 たとえレシピのデータを提供されたとしても、小売店側が「仕入れ商品の栄養成分だけの表示上の責任を負うこと」は非現実的です。もちろん手間と費用が発生します。そこまでするならPB商品にするべきでしょう。

小売店は仕入れ業者に栄養成分表示の強要もできない

 小売店側が、仕入れ業者に対して栄養成分表示を強要することはできません。しかし、栄養成分が表示されていない商品は販売できません。中小の仕入れ業者の中には食品表示法をよく理解していない人もいます。「栄養成分表示がないと取り扱えません」ということは、事前に伝えた方がいいでしょう。

 小規模事業者の中には「そんなことしなければならないのなら商売はやめる」というところも出てくるでしょう。小売店が扱いたくても扱えない商品が出てくるかもしれません。小売店にとって食品表示法は、品揃えに大きな影響を与えるかもしれないのです。