羽田未来総研の初代社長に就任する大西洋氏

 三越伊勢丹ホールディングスの前社長だった大西洋氏は羽田空港の旅客ターミナルビルを運営する日本空港ビルデング(以下、空港ビル)の副社長に6月末に就任。7月2日に設立する子会社、羽田未来総合研究所(羽田未来総研)の社長を兼務する。大西氏は12日、「現在のファッション業界の課題を議論し、羽田空港の周辺開発などの場でアートや文化などの機能をつくり、日本の地方の良さを海外に伝えるクールジャパンのような仕事に取り組んで、羽田空港の価値を高めていきたい」などと抱負を語った。

 羽田未来総研は、空港ビルが現在の事業の中心である羽田空港のみならず、さらなる事業領域の拡大を目指して設立する新会社。既存の空港運営事業の価値向上や新規事業モデルの開発、シンクタンクとしての機能発揮を事業内容として掲げている。当面は羽田空港第1ビルを拠点に、空港ビルだけでなく外部からの人材を含め20~30人の陣容でスタートする。

羽田の周辺開発の場にアートや文化の機能を

 羽田空港周辺では2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックに向けて国際線旅客ターミナルビル近くの天空橋駅直上の第1ゾーンに先端産業の研究開発施設やクールジャパン発信拠点となる日本文化体験施設などの複合施設を整備。20年に先行開業、22年に完全開業する計画が進んでいる。川沿いの第2ゾーンにはホテルが建設される計画だ。

 大西氏は「まずは場づくり。既存のスペースや羽田の周辺開発の場で新しいアートや文化のファンクションをつくっていく」と話す。またテクノロジーを中心としたベンチャー企業に関わる優秀な若手やファッションやアートのクリエーター、アーティストなどとチームを組んで議論し「例えば羽田アワードのようなものを創設して、日本のアートを海外に売り込む方法を羽田未来総研として考えていく」という。

体験型の新たな百貨店開設の夢も

 この他、若手経営者の支援をはじめ、将来的にはシンクタンクやコンサルティングする機能、羽田に関わるマーケティング機能、コーポレートベンチャーキャピタル(事業会社による新興企業への出資・支援)機能も羽田未来総研に持たせ、「知識、知能、情報を売っていきたい」という。

 大西氏は「個人的な意見だが」と断った上で「5~10人規模のコンシェルジェチームを編成し、日本の小売業に派遣、店頭で指導し、将来的には海外小売業にも日本のおもてなしを広めていきたい」と語る。さらに小売業出身の大西氏には「パートナーと組んで新しい体験型の百貨店を展開したい」という夢もあるようだ。

 当面は日本各地の観光地情報や夜のライフスタイルの提案などを紹介しチケットなどを販売する独自サイトの構築や越境EC(電子商取引)などの事業から手掛けたい考えだ。

 

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