「コロワ甲子園」は駅前ながら約1000台の駐車場を用意があり、駐輪場もある。

 阪神電車の甲子園駅前に「コロワ甲子園」がオープンした。元はといえば、1993年6月に開業した「プランタン甲子園」。プランタンはダイエーグループの百貨店で、当時は新しい百貨店の姿を模索する店舗だった(ダイエーの創業者・中内功のスーパーよりステータスが上だった百貨店に対する執着と執念のこもったもので、フランスのパリの老舗百貨店プランタンと提携することで箔をつけた)。

 しかし、プランタンはその後、立ち行かなくなり、今は全て姿を消しており、甲子園も95年9月、「ダイエー」となり、さらに2016年3月には親会社のイオンに店舗が譲渡され「イオン甲子園店」となった。

 そして、三菱地所が昨年2月に物件を取得し、GMS(総合スーパー)から近隣型ショッピングセンターに装いを変えて生まれ変わらせたのが、この「コロワ甲子園」。店舗面積は約3万㎡、地下2階から地上3階に、約60店舗が出店する。

1階にLIXILビバ、マックハウスの新業態が出店した

 3階は、家電量販店「コジマ×ビックカメラ」、手芸用品「ドリーム」の大型店「グランドドリーム」の旗艦店、ペットショップ「ひごペットフレンドリー」の大型店と、5店舗からなるフードコート、イタリアン「サイゼリヤ」、アミューズメント「SEGA」などで構成されている。

 2階には「しまむら」「バースディ」「アベイル」のしまむらの3業態(5月下旬オープン予定)を中心に、イオングループの靴専門店「アスビーファム」、レディースファッション「ハニーズ」、メンズレディースファッション「はるやま」などが出店している。

 1階は新業態が2店舗。ホームセンターのLIXILビバは、昨年9月、「イオンスタイル神戸南」にホームデコレーション専門店「ハウスデコ」をオープンしたが、その2号店を出店している。

 ハウスデコは30代~40代の女性対象に、「創る・飾る・彩る」「居心地の良い住まい=わたし流」を提案する店舗で、DIY、インテリア、小物家具、キッチン、バストイレタリー、ヘルス&ビューティ、文具、ペット、グリーンなど幅広く品揃えする。都市型立地の新しいホームセンターの在り方を模索する業態だ。

「マックハウス スーパーストア」は、2015年からスタートしたマックハウスの新業態で11店舗目。カジュアルなファミリーファッションからインナーレッグウエア、ホームウエアを取り扱い、低価格なアクセサリー、バッグ、シューズ、生活雑貨の「ミニプライスコーナー」も新たに導入した。

 その他に、ジュエリー、メガネ、時計、雑貨、ファッションなどの専門店、飲食は「大阪王将」と「吉野家」がある。

地下2階・イオンスタイルはイオン時代から縮小

 地下1階には、ベビー・キッズ「西松屋」に「くまざわ書店」「スギ薬局」、100円ショップ「セリア」などの他、大型キッズパーク「ピュアハートキッズランド」も出店している。

 地下2階は、「イオンスタイル甲子園」。イオン時代から大幅に売場を縮小し、約4520㎡、食品売場と200席のフードコート、「カジュアル雑貨コーナー」を展開している。

 イオン甲子園店は、甲子園球場に野球観戦に訪れる阪神ファンの食料調達の御用達店舗で、昨年10月に閉店し、ファンは頭を抱える事態となっていたが、以前よりバージョンアップして再出店した。

 フードコートでは、粉もん鉄板焼き、焼肉弁当、ピッツアといった野球観戦に適した調理メニューやアルコールドリンクを提供する「甲子園フードパーク」を展開。ペット飲料、サンドイッチ、ドーナツ、冷凍食品も販売し、テイクアウト需要に対応する。また、観戦前に短時間で食べられるうどん、カレー、丼、おにぎりなども充実させた。

 惣菜売場でも、弁当や酒のつまみになるアイテムを充実。ベーカリー「カンテボーレ」でも、野球をイメージした商品を開発するなど対応をさらに強め、「魚屋の惣菜コーナー」では、焼肉弁当、唐揚げ、焼魚串などを用意している。

 リカーショップでは、球場への持ち込みが可能なペットボトル紙容器の清酒や焼酎を用意、おつまみも豊富にそろえている。

 さらに、電子マネー「ワオン」の阪神タイガース仕様のカードも発行した。

近隣住民に毎日足を運んでもらうことも目標

 このように甲子園球場への来場者に手厚い対応をする一方、地域住民に対しても、食と住に絞り込んで商品を提供しているのが、イオンスタイル甲子園。地元西宮の近郷野菜や兵庫県産の野菜や果物、地獲れの鮮魚や貝、えさと飲み水にこだわった「神戸ポーク」といったこだわりアイテムも投入した。

 西宮が灘五郷であることから、地元の酒を40種類以上そろえて、銘店コーナーでは、地元の銘菓や阪神タイガースの菓子やグッズも展開している。

 非食品ではコンパクトなイオンスタイルでの生活雑貨の新たな売場づくりにもチャレンジする。近隣エリアに30代、40代の女性とその家族が多く住むことから、彼女たちの「家事を簡単、便利にすることで時間を有効に活用したい」という声に応えて、約250坪の売場に「楽・家事」「美・健康」「情報・交流」の3つのテーマのコーナーを展開。調理用品、食器、バストイレタリー、化粧品、ヘルス&ビューティケア、機能性肌着、文具などをそろえ、デイリーユースに対応する。

「コロワ甲子園」は、三菱地所にとって関西初の近隣型ショッピングセンター(NSC)。「駅前快適」をコンセプトに、甲子園球場の来場者も取り込みながら、近隣住民に毎日足を運んでもらえる施設を目指し、年間来場者は600万~700万人、初年度売上高は130億円を見込んでいる。